犬200頭保護に1億円超 民間シェルターの支えは「ふるさと納税」 | トピックス

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sippo 10月19日(月)12時20分配信

下世話な話で恐縮だが、
「殺処分ゼロ」を目指すピースワンコ
・ジャパンのシェルター運営には、
それなりの費用がかかっている。


 2014年度の年間支出は約1億1450万円。

内訳は、200頭近くいる保護犬の
フード代や医療費などに約1800万円、
健康管理やしつけを担当する
獣医師やトレーナーの人件費に
2500万円、保護施設の建設に
3700万円といった具合だ。

質の高い飼育環境を維持しながら、
1頭でも多くの犬を保護するには、
安定した資金の確保が欠かせない。

 現在その柱になっているのが
「ふるさと納税」である。

ふるさと納税は、応援したい
自治体に寄付をすると、
2000円を除いた全額が税金から
控除される制度。

所得に応じた上限はあるが、
ほぼ自己負担なしで
寄付ができるうえに、地域産品などを
お礼の品としてもらえることが
人気を集めている。

広島県神石高原町が昨年、
寄付金の使途としてNPOや地元自治会を
指定できる仕組みを設けてくれたので、
私たちも「あなたの『税金』を
殺処分ゼロのために」と呼びかけて
寄付を募っている。

 今年も9月の動物愛護週間を皮切りに、
ふるさと納税のポータルサイト
「ふるさとチョイス」で
キャンペーンを始めた
(http://www.furusato-tax.jp/gcf/48)。

掲げたのは、私たちが広島県の
犬の殺処分をなくす目標と定めた
来年6月までに、保護犬舎を3倍の
600頭規模にし、譲渡センターも
新たに開設する計画だ。

 これまでの取り組みの成果や
資金の使途を詳しく説明し、
お礼の品には有機無農薬の米を
はじめとする地域の特産品を用意した。

開始から3週間余りで、
同サイト経由の寄付申込額は
約2250万円。

それ以外のルートを含めると
約3200万円に達した。

昨年のペースを上回り、
寄付が集中する年末を迎える前としては、
たいへん大きな支持をいただいている。

 寄付者のみなさんからは、
「ふるさと納税で活動資金を集める
アイデアはすばらしい。
年金生活なので少額しかできませんが、
毎年参加したい」
「(殺処分ゼロの)本格的な
プロジェクトが立ち上がり、
実績も積み上がっていて、
心から嬉しく思います」などの
コメントが数多く寄せられている。

特に目立つのは、
「神石高原町の取り組みが全国に
広がることを願っている」というものだ。

小さな町の挑戦にこれだけ注目と
期待が集まるのは、かつてないことだろう。

 今回のキャンペーンでは、
他の保護団体との連携による猫の
保護にも初めて協力を呼びかけた。

ペットを愛し、共生を願う多くの人の
共感を得られるよう、
きちんと成果を出していきたい。
(「ピースウインズ・ジャパン」
代表理事・大西健丞)