読売新聞 9月26日(土)8時59分配信
隣家の女性が野良猫への餌付けを
続けたため、排せつ物で自宅の庭が
汚されたなどとして、福岡県内の住民が
約160万円の損害賠償を求めた
訴訟の判決が福岡地裁であり、
溝口優(ゆたか)裁判官が女性に対し、
慰謝料など55万円の支払いを
命じていたことがわかった。
溝口裁判官は、動物愛護の観点から
女性の心情に一定の理解を示したが、
被害防止の対策をとらなかったと
判断した。
17日付の判決によると、
女性は2013年5月頃から
少なくとも同年12月頃まで、
自宅玄関前に餌を置くなどして
複数の野良猫に餌やりを継続。
周辺に居着くようになり、
原告住民の自宅の庭に入り込んで
排せつするなどし、原告は庭の
砂利を入れ替えた。
溝口裁判官は
「野良猫を愛護する思いから餌やりを
しているとみられ、直ちに非難される
べきものではない」と言及しつつも、
「猫が居着いて、近隣に迷惑を及ぼすことは
十分に認識できたはず」と指摘。
女性が保健所から行政指導を
受けるなどした13年6、7月以降について
「餌やりの中止や屋内飼育を
行うべきだった」とし、
「近隣住民への配慮を怠り、
生活環境を害した」と結論付けた。