管理体制全般に問題
札幌市円山動物園でマレーグマの
雌ウッチー(推定30歳以上)が
同居訓練中、若い雄に襲われて
死んだ問題で、同市動物管理センターは
21日午後、繁殖を含む動物の
管理体制全般に問題があるなどとして、
動物愛護管理法に基づき同動物園に対して
改善勧告を行った。
改善勧告は、
《1》同動物園で飼育する全ての動物の
管理体制の見直しと、そのために必要な
人員の確保、マニュアルの整備
《2》計画中の施設を含む同動物園の
施設の総点検を行い、必要があれば
改善すること―などの内容。
改善計画を今月28日までに、
改善結果を9月30日までに
報告するよう求めた。

マレーグマ舎を立ち入り検査する
市動物管理センターの職員ら
マレーグマが死んだ原因については、
同居訓練中に獣医師らを配置せず、
訓練中止の基準もなかったことなどを
指摘した。

同居訓練中に雄に襲われ、
死んだマレーグマのウッチー
(円山動物園提供)
ウッチーの死、原因は
ウメキチとの争い
同管理センターなどによると、
同居訓練は雄ウメキチ(5歳)と
雌ハッピイ(8歳)の繁殖のため、
ウッチーを「仲介役」として2、3頭で
6月16日~7月24日に計5回実施した。
6月20日にウッチーがウメキチに
右後ろ脚をかまれてけが。
6月26日、7月6日も2頭の争いは続き、
同24日にもウッチーはウメキチに
攻撃された。
ウッチーは7月25日、
死んでいるのが見つかった。
死因は、右脇腹の折れた肋骨が
胸膜と横隔膜に穴を開けたことによる
腸管ヘルニアで、ウメキチとの争いが
原因という。
5回の訓練のうち、
獣医師が立ち会ったのは初回だけで、
7月6、24日は飼育員1人だけだった。