6月17日(水)7時0分神奈川新聞配信
県は本年度、老朽化した動物保護センター
(平塚市土屋)の建て替えに着手する。
収容動物を「生かすための施設」と
明確に位置づけ、殺処分室を
廃止するほか、動物のストレス軽減や
病気予防を目的に個室化も進める。
動物愛護の拠点として2018年度末の
完成を目指す。
本館や周辺の整備費は
総額約14億円の見通し。
本年度の一般会計6月補正予算案には、
本館の調査設計費950万円を計上した。
同センターは、横浜、川崎、横須賀の
3市以外から動物が持ち込まれ、
14年度に犬・猫殺処分ゼロ
(犬は2年連続)を達成した。
ボランティア団体との協力で
収容動物の譲渡が進んだことが要因だが、
建て替えによりセンターの収容環境を
さらに改善し、より健康な状態にして
新たな飼い主がみつかりやすくするのが
目的だ。
現在の本館は地上1階、地下1階建て
(延べ床面積約2200平方メートル)で、
1971年度に建てられた。
新たな本館の建物規模や内容は本年度中に
まとめるが、▽殺処分室と焼却炉の廃止
▽収容する動物の個室化
▽ドッグランの整備
▽譲渡ボランティアなどが使える
スペースの設置-などを想定。
病気などでやむを得ず注射による殺処分を
行う場合は専門業者に焼却を委託し、
骨は戻してもらう。
また、県は幅広く寄付を募りながら
整備費の確保を進めたい考え。
「殺処分ゼロ」や動物愛護への理解を
広げていく機会としても捉え、寄付を
積み立てる基金を創設。目標額を
11億円とし、18年度までの調達を
目指す。
一方、同センターは本年度から、新たな
飼い主の連絡先を登録したマイクロチップを
動物の皮下に埋め込んでから、引き渡す
取り組みも始める。
迷い犬になってセンターに収容されても、
飼い主の元に戻せるようにするためで
、同補正予算案に228万円を計上した。
ペットショップにも、ペット購入者への
マイクロチップ装着の啓発活動に
協力を求めていくという。