2015/06/19更新朝日新聞・朝日新聞デジタルより
マダニを介してうつるウイルス病
「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」
の患者が見つかった13県のうち
3県で、地域の飼い犬もウイルスに
感染していることが山口大の調査で
分かった。犬の散歩道という身近な
生活圏にも、ウイルスが潜んでいる
証拠だ。20日に岐阜市で始まった
日本獣医学会で発表した。
山口大の前田健教授
(獣医微生物学)らは昨年、
40都道府県で動物病院を受診した
飼い犬計743匹の血液を調べた。
その結果、山口、熊本、宮崎の3県で、
調べた飼い犬の16~5%が、ウイルスに
感染したことを示す抗体値が高い
強陽性だった。
厚生労働省結核感染症課によると、
人間の患者は13日現在、13県で
43人(うち18人が死亡)確認されて
いるが、そのうち兵庫県と
鹿児島県では今回の
飼い犬調査は出来ていない。
犬の場合、SFTSウイルスに
感染しても発病したという報告はなく、
犬から直接、人に感染した例は
これまで知られていない。
前田教授は「飼い犬で陽性が
確認された地域では、身近な場所にも
ウイルスがいる可能性が高い。
11月ごろまでマダニのシーズンは
続くので、公園の散歩などでもマダニが
つかないよう草むらには注意した方が
いい」と話す。(中村通子)
(朝日新聞 2013年9月20日掲載)