犬は飼い主に非協力的な人物を嫌うこと
が実験で確かめられたと、
京都大文学研究科の藤田和生教授や
大学院生の千々岩眸さんらの
研究グループが11日発表した。
犬が人間の行動をよく観察して評価して
いることが分かり、飼い犬と良好な関係を
つくるヒントになるとしている。
犬は餌を頻繁に与える人物を好む傾向が
研究で知られている。
一方、犬の損得に関係ない場面で人間を
どのように評価するかはあまり
研究されていなかった。
実験では犬の前に飼い主を真ん中にして
両隣に女性スタッフが並び、片方の
スタッフを飼い主の相方に指定。
飼い主に透明な容器からビニールテープを
取り出そうとする演技をしてもらい、
相方は(1)協力する(2)協力しない
(3)飼い主から顔をそむけるだけ-の
3パターンの行動を取った。
この間、相方でないスタッフは下を向いた。
その後、女性スタッフ2人が餌を載せた
手を差し出し、犬がどちらを選ぶか
観察した。
各パターンで18匹ごとのグループを作り、
1匹当たり4回繰り返した。
相方のスタッフを2回以上選ぶ犬の数は、
協力する時は14匹と全体の
8割近かったのに対し、協力しない時は
7匹と4割弱になった。
顔をそむけるだけの時は協力するのと
同じ傾向が見られた。
藤田教授は「犬は人間の行動から
深い情報を読み取っている。
犬と仲良くしたいなら、
飼い主に意地悪をしない方がいい」と
話している。
研究成果は国際的な
動物行動学の専門誌に近く
掲載される。
