2015年4月5日東京新聞TOKYOWEBより
江戸川区ペットクラブ連絡会のメンバー
(江戸川区役所にて)
犬を飼うマナーの啓発や野良猫の不妊手術
などに地域ぐるみで取り組んでいる
「江戸川区ペットクラブ連絡会」が、
日本動物愛護協会の「日本動物大賞」を
受賞した。
鈴木重鎮(しげやす)会長(75)は
「飼育者がルールを守り、地域と共生する
ための活動が評価された」と喜ぶ。
連絡会は二〇〇六年、区内のペットの
飼い主らでつくる三つのクラブが集まって
結成された。飼い犬のしつけや散歩時の
マナーに関する講座を開き、普段散歩する
公園の清掃活動を始めた。
メンバーは、飼育者の無責任が犬の
ふんや野良猫の問題を引き起こしていると
考える。
公営団地のペット飼育を考える会や、
野良猫を保護するグループと連携し、
ペットに厳しい目を向ける地域の人々の
意見も聞きながら活動の輪を広げてきた。
現在は区内の十四団体が所属する。
野良猫の不妊・去勢手術の助成を区に
働き掛け、一二年度から事業化された。
決められた場所でエサをやり終了後はすぐに
片付けるといったルールを徹底させ、
一四年度末までの五年間で連絡会が
活動する区内五カ所の公園の野良猫が
三分の一に減ったという。
日本動物大賞は、優れた動物愛護活動の
実践者を顕彰する。
審査委員長の音楽評論家湯川れい子さんは
「とかく反目しがちな団体が多い中、仲良く
活動を続けているのは全国のモデルとなる」
と評価する。
事務長の当麻隆さん(75)は「これからも
飼育者が社会的責任を果たし、地域、行政が
一体となってペットとの共生社会を
築いていきたい」と話す。
次の課題は、集合住宅のペット飼育の
ルールづくり。
「高齢社会で、ペットは大切な癒やしに
なりますから」
(小形佳奈)