3月20日(金)14時2分配信 朝日新聞デジタルより
野良猫などへの不適切な餌やりを禁止
する条例が20日、京都市議会本会議で
可決、成立した。7月1日から施行される。
背景には餌やりを巡るトラブルが相次いで
いる実態がある。一方で「動物愛護の流れ
に反する」との声もある。
条例では、野良猫など飼い主がいない
動物に対し、餌を与えたまま片付けずに
腐らせるなど、不適切な給餌(きゅうじ)で
住民の生活環境に支障を生じさせた
場合は、餌をやった人に対して勧告・
命令を行い、命令違反の場合は
10月1日から5万円以下の過料を科す。
京都市には今年度、鳴き声や臭いなどの
猫に関する744件の苦情が寄せられた
(2月末現在)。
一方で、昨年12月~今年1月に条例案の
パブリックコメントを募集したところ、
約3千件の意見のうち2千件以上が
「虐待にあたる」「京都のイメージダウン」
などと反対する内容だった。
避妊去勢手術などで野良猫を管理する
「地域猫活動」をしている人たちからは
「適切な餌やりをしている人に罰則が
及んだり、批判の対象になったりするのでは」
との声が上がる。
市は説明会を開くなどして対応にあたり、
条例案の名前も「動物による迷惑等の
止に関する条例」(仮称)から、「動物との
共生に向けたマナー等に関する条例」
に変更した。
市は「条例は給餌を一律に禁止する
のではなく、適切に行うことが目的。
野良猫の命を軽んじるものではない」
と説明している。
(田中京子)朝日新聞社