災害避難ペットも一緒 市川市が同行の被災者受け入れ マニュアル整備が課題 【東日本大震災4年】 | トピックス

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3月13日(金)14時24分配信千葉日報より


災害避難ペットも一緒 市川市が同行の被災者受け入れ マニュアル整備が課題 【東日本大震災4年】

 地震など大規模災害で避難する時、避難所に

ペットは連れて行けるのか―。

 東日本大震災では避難がかなわなかったペット

が多数犠牲になっており、家族の一員としてペット

を飼う人にとって深刻な問題だ。


東日本大震災後市川市がペットを同行した

福島県の被災者を受け入れていたことを知ってい

るだろうか。


画期的な取り組みと高く評価される一方、

課題も浮かび上がった。関係者らはペット同行

避難の体制整備を求めると同時に、災害に備え

「飼い主の責任」も

指摘している。

災害避難ペットも一緒 市川市が同行の被災者受け入れ マニュアル整備が課題 【東日本大震災4年】 ◆17日後に受け入れ

 「ペットがいるので避難できない人がいる」

 きっかけは震災直後の深夜、並木まき市川

市議(36に掛かってきた1本の電話だった。


並木市議はかねてからペット同行避難の実現に

取り組み、日本愛玩動物協会員でもあった。


「見ず知らずの人がホームページを見て

電話してきた」

と並木市議。


切実さを感じ取り、ペットを同行した被災者の

受け入れを市に働き掛けた。

 市側も積極的な被災者支援を方針に掲げていた

ことから、原発被災者らを対象に受け入れを決定。


発生17日後の3月28日、生涯学習施設「市少年自

然の家」(同市大町)にペット同伴可の避難所を

開設した。

 同協会などでつくる「全国緊急災害時動物救

援本部」によると、震災後、被災地以外にペット

同伴可能を明言した自治体の避難所はなく、

同協会には「福島県外に避難するため泣く泣く

ペットを手放した飼い主もいる」との情報が寄せ

られていた。


同本部もペット同伴可の避難所を探したが

見つからず、頭を抱えていたところだった。


◆入居わずか4世帯

 同施設では建物横にテントとカーペットでペットの

飼育場所を確保。ペットはケージ内での“避難

生活”だったが、飼い主がペットと自由に遊べる

スペースも設置した。


ボランティアの獣医師による健康診断が行われた

ほか、同本部スタッフらが飼育場所の衛生管理

などを担当。


これまでペットの鳴き声や臭いを気にしながら

避難生活を送ってきた被災者から「今まで肩身

が狭かった。助かる」と感謝の声が挙がったという。

 同本部が福島県内の避難所で入居者を募集

した当初は多くの希望者がおり、同施設も100人、

100匹程度の受け入れが可能だったが、同年4月

28日の避難所閉鎖までに入居したのは4世帯と

犬7匹、猫2匹のみ。


開設直前に県の水道から高濃度の放射性

ヨウ素が検出されたことや、知り合いのいない

土地に避難することの抵抗感が、キャンセルが

相次いだ主な理由と考えられている。

 同協会の白井百合課長(44)は「福島の情報が

入りにくくなるなどして、市川への避難をあきら

めた人も多かった。


地域ぐるみの避難やペット同行避難が

できる体制の整備に向けて、各自治体との

連携を強化したい」と話す。