「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」なんて事を申しまして。
一度目を閉じて開くと夜中であった。
一言一文で簡潔に端的に纏められたそれだけでその時の情景を連想させるというのは文章を書く上で非常に難しい事です。
物書を生業としている人は文中に不要な間を入れない事や読み上げた時のテンポの良さを意識するのだと言います。
余計な言葉がない方が頭に浮かぶ風景に邪魔なものが入り込まないからなのでしょうか。
私ですか?
もちろん理解していません。
私が冒頭に書いた一文は私が一昨日過ごした休日を著しています。
確か15時半過ぎだったと思うのですが腰が痛くなったので寝っ転がりました。
そして瞬きをすると次に目を開けた時には何故か22時だったんですよね。
寝る子は育つとか言いますが寝るオッサンはどうなんでしょうか???
全く微笑ましくないのが切ないですね。
その日私は少しだけ予定を立てていました。
全部私用なので取り分け緊急性は無いのですが、
そうは言っても折角の休日だからこの日に済ませておこうと思うものもいくつかありました。
その割には昼前までゆっくり寝てから起きました。
何気に一度は早朝に目を覚ましたのですが、
トイレで用を足した後は寒くなったのですぐにお布団に潜りました。
関係ないのですが「お布団」という単語に妙な親しみやすさを感じています。
昼前に再度目を覚まし、早速シャワーを浴びて暖を取ります。
寒い部屋で過ごしている癖に寝相が悪い私は朝目覚めるとよく足首が冷えています。
寝起き後のシャワーで暖まった後に食事をとりながらYouTubeで動画を適当に眺めて過ごして、
今日の行動で何から最初に始めるかをぼんやりと考えて居ました。
そんな私の耳に外でベランダのガラス戸を揺らす風の音が聞こえてきます。
12月に入り、また今日から一段と寒くなるんだと天気予報で見た。
そんな話を、私ではない誰かが言っていたのを聞いた気がする。
ここ数日確かに寒い、実際の所今朝起きた時も物凄く寒かった。
寝起きに浴びるシャワーの水がいつまで経ってもお湯にならない事に若干の苛立ちさえ感じてしまうくらいでした。
まだ身体を温めたばかり、なんなら起きてからまだあまり時間が経ってもいない気がする。
つさっきようやく食事を終えたばかりでもあり、頭の中でまだ今日の行動順序を思案中でした。
コンタクトを買いに行かなくてはいけないとか、そろそろ髪を切ろうとか、
料金の支払いに行かなくてはいけないとか、なんか色々とは考えているものの、
外が寒いという事がわかってしまうとどうしてこんなに腰が重いのでしょうか。
態々寒い思いをして外に出るのですから徒労にはしたく無い。
せめてこの考えが纏まるまではもう少しここでゆっくり過ごしていても良いでしょう。
そんな事を思ってその場に居座っている今の自分の様が、
無駄に寒い思いをして外に出て徒労に事を終えるより時間を無駄に浪費していると言う事実から目を背けてダラダラと座って過ごしていました。
長く同じ姿勢で過ごしているせいで腰が痛くなってきました。
高校生の時からすぐに腰が辛くなるクセがついてしまっている所為です。
きっと気温の低下も関係しているのでしょうが、ちょっと動かない時間があるとすぐに調子が悪くなります。
こういう時は寝転ぶのに限る。
グッと伸ばした背筋とのし掛かる体重から解放された骨盤付近の筋肉がスーッと晴れやかに脈打っているのを感じます。
この瞬間は最高に気持ちが良いです。
仰向けに寝転ぶ腰の下に丸めた座布団とか入れたらもう完璧です。
一気に楽になった体勢で落ち着いてもう一度深呼吸します。
そのままゆっくり目を閉じて自分の呼吸音を聞きながらまたゆっくりと目を開けました。
その時辺りが真っ暗である事に気がつきました。
目を開けた瞬間は今の状況が掴めていません。
咄嗟にスマホを探しますがそれより先にiPadが見つかります。
ついさっきまでYouTube見るのに使っていたやつです。
そんな事よりこんな時最初に思うのは「今何日の何時であるか」でした。
完全に寝ぼけて居ます。
時刻は22時過ぎ、日付は私が休日を過ごす筈だった日付。
「やってもぉたな」と思うついでに安堵の息を漏らします。
一番コエーのは目を開けた瞬間朝になるとかです。
起きて早々またトイレで用を足しながら状況を整理します。
そして気がつきます。
「成程、あの時か。」
そうやって一人で納得して1日を終えていくのでした。
La'szlo' / Vienna / Brown 148,500円
多分こういう1日の過ごし方は見る人が見ればメチャクチャムカつくんでしょうね。
グータラの過ごし方ですがお陰で非常に省エネな1日でした。
そしてそんな長い話とは絶対に関係ないのに何故かLa'szlo'(ラズロ)の写真が並べられている事に疑問を持った方もいる事でしょう。
実はコレにも全く理由はありません。
この驚くべき発言も人によってはメチャクチャムカつく人も居るんでしょうね。
今年いっぱいは南船場のお店に勤務して居ますので引っ叩くなら今です皆さん。
お越しになった暁には今ご覧いただいているこのVienna(ヴィエナ)のノルウィージャン製法がフィヨルドと呼ばれる湿地帯の雪原を歩く際に浸水してこないように作られたルーツがある事とか、
この雪国発祥の技術が欲しくて140年前にディンケラッカーがドイツの会社であるのに態々ブダペストに手縫工場を構えたという経緯であるとか、
その技術が巡り巡って今はLa'szlo'に受け継がれて居て正真正銘父祖伝来の技術を継承した唯一のブランドである事とかをお話しできたらと思います。
それではまた次のブログでお会いしましょう。
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森井英之