《2024年5月31日》ー自転車で右翼と大衝突 | aichanの双極性日記

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千歳・札幌の季節の風景とレザークラフトとアウトドア(特にフライフィッシング)。
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私がうつ病になり女房と離婚して札幌でひとり暮らしを始めたときのことだ。

 

私が住んだのは5階建ての鉄骨アパートで、エレベーターがなかった。

 

私は3階に住んで、1階の外に自転車を置いていた。

 

そこに4、5台の自転車がすでに置いてあり、それで自転車置き場だと思ったからだ。

 

ある日、それらの自転車がみな横倒しにされ、高く積み上げられていた。

 

驚いた。

 

私の自転車は上から2台目にあったので一番上の自転車を下ろし、自分の自転車を下ろして乗って買い物に行った。

 

アパートに帰ると自転車は元の通り“自転車置き場”に並んでいた。

 

「誰があんなことをしたんだろう?」と私は首を傾げながら3階の自分の部屋へと狭い鉄骨階段を上って戻った。

 

すると「ピンポンッピンポンッ!」とチャイムが激しく鳴った。

 

アパートの玄関はオートロックになっていて、チャイムを鳴らしているのは1階の玄関からだと思われた。

 

私はインターフォンの受話器を取り、「はい」と言った。

 

すると「お前だろ、いま自転車をここに置いたのは!」という怒声が聞こえてきた。

 

誰だろうと思いながら、「そうですけど」と私が言うと、「ここは共用部分で自転車置き場じゃない! 今すぐ降りてこい!」と言うではないか。

 

「あなたは誰ですか?」と私が聞くと、相手は「お前の隣の部屋の伊藤●●だ!」と名乗った。

 

「今すぐ玄関の鍵を開けろ! 慌てたあまり鍵を持たずに外に出てしまったんだ」と伊藤は言った。

 

仕方なく私は鍵を開けるボタンを押してやった。

 

1分もしないうちにまたチャイムが激しく鳴った。

 

今度は部屋のドアの横にあるチャイムを押しているようだった。

 

私は玄関ドアを開けた。

 

そこには丸刈りでいかつい顔の固太りの中年男が立っていた。

 

見るからにチンピラっぽく、私はヤクザかなと思った。

 

それが伊藤●●だった。

 

伊藤は私を睨みつけ、「今すぐ自転車をどけろ!」と凄んだ。

 

私は玄関の壁に背中を寄り掛からせ、腕組みをしながら伊藤を冷静に見下した(彼は私よりも背が低かった)。

 

すると伊藤は「おおッ」と言って少し後ずさりして、「あ、あそこは自転車置き場じゃない! なんなら1階に降りてみろ! 管理会社が印刷した注意書きがある」と言った。

 

伊藤が「おおッ」と言って後ずさりしたのは、普通の相手だったら彼に恐れをなしてすぐビビるのが常なのに、私はビビることなく腕組みして彼を見下していたからだろう。

 

私は仕方なく伊藤の後について1階に降りた。

 

自転車が置かれている中央にはゴミ捨て用の大きなフタ付きボックスがあり、そのボックスにはA4判の大きさの貼り紙があった。

 

それを指差して伊藤は怒鳴った。

 

「この貼り紙を見ろ! ここが自転車置き場じゃないことが書いてあるだろ!」

 

私は近づいてその貼り紙を見た。

 

それにはゴミ捨てボックスだけしかない玄関前の写真が印刷され、「アパートの前はこのように使いましょう」と書いてあった。

 

それを読んで私は「ここが自転車置き場じゃないなんてどこにも書いてないじゃないか」と言った。

 

伊藤は顔を真っ赤にして「お前、馬鹿か? これを読んでもそんなことがわからないなんて馬鹿だ! よほどの大馬鹿だ! 早く自転車をどけろ!」と叫ぶように言った。

 

それからふたりの言い合いが始まった。

 

「自転車を積み上げたのはあんたか?」

 

「なに? …そんなことは知らん! 自転車を早くどけろと言ってるんだ!」

 

「ここに入居するとき自転車がダメだなんて管理会社から言われなかった。契約書の中にも自転車を置くななんて書いてない」

 

「うるせーッ! 馬鹿は何度言ってやっても馬鹿だな! 自転車をどけないと処分するぞ!」

 

「そんなことしたら犯罪だぞ」

 

「うるせーッ! この大馬鹿野郎!」

 

そんなやりとりをしているのが面倒くさくなって、私は隣の工事現場(当時、そこではマンションを建てる工事が行われていた)のシートのところまで自転車を移動させ、「これでいいだろ?」と伊藤を睨みつけた。

 

伊藤は黙り、玄関に戻っていった。

 

それを見て私は自転車をアパートの玄関前に戻した。

 

その数日後、1階に置いてあった自転車5、6台がみな消えた。

 

私はアパートの周辺を探し回り、アパートの裏の隣の敷地との間の狭いスペースに5、6台の自転車が積み上げられているのを発見した。

 

〈アパートの裏に乱雑に積み上げられた自転車群〉

 

伊藤の仕業だと確信した。

 

私は隣の敷地からアパートの裏に回って自分の自転車を取り戻してアパートの玄関前に置いた。

 

それから私は管理会社に電話して、あったことを詳しく語り、「アパートの裏に積み上げられている自転車を元に戻すべきです。玄関前に自転車を置くなというのはあなた方の方針ですか?」と聞いた。

 

管理会社は「いえそのう…。あそこは共有部分というわけではないので、自転車を置くなというわけではないんですが…。裏に積み上げられているという自転車は、私どものほうでも何とも手のつけようがないんです」と要領を得ないことを言う。

 

私は電話を切り、HTB(札幌のテレビ会社)の知り合いにメールしてここ数日の一件を簡単に書き、「こんな仕打ちをされたわけで、これってニュースかなんかで取り上げてもらえませんか?」と頼んでみた。

 

すぐ返信があり、取り上げるのは難しいと書かれてあった。

 

ただ、私の住むアパートの大家の名前とその住所を調べたとのことでその名前と住所が書かれてあった。

 

私はパソコンで大家に手紙を打った。

 

ここ数日間の一件を詳しく書き、「玄関前に自転車を置くのはダメですか?」と結んで封筒に入れ投函した。

 

数日後、私はまた管理会社に電話して大家に手紙を出したことを話し、自転車を持っている人を守ってほしいと頼んだ。

 

また、「自転車返還要求書」というものをパソコンで打ち、管理会社に送った。

 

〈自転車返還要求書〉

 

すると管理会社は「その件なら大家さんから電話がありました。自転車を置くスペースがあるのなら置いてもかまわないとのことでした。ただ…」と相手は黙った。

 

私は「契約書にも自転車を置くなとは書いていません。ということは置いてもかまわないということですね? 置いてもまた裏に積み上げられるようなことのないように管理してください。ちなみに、アパートの裏に自転車を積み上げたのは私の隣に住む伊藤●●さんだと思いますよ。調べてください」と話した。

 

管理会社は「ああ…」とつぶやいてまた黙った。

 

「伊藤●●」が犯人であることを知っているなと私は感じた。

 

案の定、「伊藤さんがやったかどうか私どもで調べることはできないんですよ。伊藤さんはねえ…」とまた黙った。

 

後日知ったことだが、実は伊藤はその管理会社に怒鳴り込み、「俺は■■という右翼団体の者だ! △△△○○○◻︎◻︎◻︎◻︎(私の住んでいたアパートの名前)の玄関前に自転車を置かせるな! 今度置かせたらただじゃすまさねえからな!」と脅したのだそうだ。

 

それで管理会社ではアパートの玄関前からいったん自転車をどかした写真を撮り、それに「アパートの前はこのように使いましょう」というコピーを入れたものを印刷して貼ったのだった。

 

管理会社は右翼の名前に怯え、伊藤の剣幕に押されたわけだ。

 

伊藤が右翼だと知る前、私の右隣の部屋の住人が窓を開けて布団を干した。

 

そして布団をパンパンと叩いた。

 

すると左隣の住人である伊藤がガガーッと窓を勢いよく開け、布団を叩いている住人と口喧嘩を始めた。

 

「そこで布団を叩くな! 1階にゴミが落ちる!」

 

「布団を干してるだけですよ。ゴミなんて出ないですよ」

 

「うるせーッ! やめろと言ってんだ、馬鹿! やめろって言ってんだろ!」

 

しかし右の住人は布団叩きをやめなかった。

 

すると伊藤の部屋の玄関ドアが開く音が聞こえ、右の住人の部屋からチャイムの音が聞こえた。

 

伊藤が右の住人に直接抗議にいったものと思われた。

 

右の住人は伊藤を部屋に入れ、そこでまた同じような口喧嘩が始まった。

 

30分くらいもそれは続き、真ん中の部屋で聞いていた私はうんざりしてきた。

 

薄い壁で隣と仕切られているので、彼らの声は丸聞こえだった。

 

まだ続けるつもりかと呆れたころ、伊藤が急に話を変えた。

 

「護国神社に寄付しろ」と右の住人にしきりに勧めはじめたのだ。

 

護国神社とはそのアパートのすぐ近くにある神社のことだ。

 

それを聞いて初めて私は伊藤が右翼ではないかと疑った。

 

それで早速、パソコンで伊藤のフルネームと「札幌」「右翼」というワードで検索してみた。

 

そしたら何とかという右翼団体の講習会紹介みたいなページが出てきて、その講師のひとりが伊藤と同じ名前だった。

 

「ヤクザじゃなく右翼だったのか」と私は思った。

 

私は自転車を隠された人たちの困惑を思い浮かべ、アパートの裏に自転車を隠されているところを写真に撮り、「自転車はここに隠されています」というコピーとともにそれを何枚も印刷してアパートの壁という壁に貼り付けた。

 

それでも自転車を取り出さない人もいて、私がこのアパートを退去するまで2台の自転車は捨てられたままだった。

 

自転車を取り戻した人たちは、自転車を近所の道路脇などに置くようになった。

 

私は玄関前に堂々と置いた。

 

すると数日後、タイヤがパンクしていた。

 

クギか何かでパンクしたのではなく、空気を入れる金具を外してタイヤの空気を拭く方法でパンクさせられていた。

 

明らかに人為的な行為によるパンクだった。

 

伊藤の仕業だと思った。

 

私は歩いて自転車を引いて遠い自転車屋まで歩き、金具を買い、空気を入れてもらって帰ってきた。

 

それでも玄関前に自転車を置きつづけた。

 

数日後、同じ方法でまたタイヤの空気が抜かれていた。

 

私は近所を歩いて回り、近くのローソンの店長に自転車を置かせてもらえないかと頼んだが断られ、仕方なく中島公園という大きな公園の自転車置き場に自転車を置いた。

 

すると翌日、そこでも同じ方法でタイヤの空気が抜かれていた。

 

伊藤の奴はこんなところまで目を光らせているのかと恐れ入った。

 

今度は絶対にパンクさせられないところに置きたいと思った私は近所の民家を訪ねては自転車を置かせてもらえないかと頼み回った。

 

どこでも断られ、仕方なく私は自転車の置けそうなところを探した。

 

すぐ近くにある私立高校の敷地の端置けそうなところを発見し、今度はそこに自転車を置くようにした。

 

3度も続けざまにパンクさせられ、アパートの玄関前はもちろん公園の自転車置き場にももう置けないと考えたのだ。

 

その日から私は近所のその場所に自転車を置くようになった。

 

〈アパートの近くに自転車を置くようにしたころの私の自転車。亡くなった愛犬アイルとともに〉

 

すると数日後、自転車のタイヤは両輪とも同じ方法で空気が抜かれた。

 

自転車のカゴがひん曲がり、後ろの細いパイプは曲がっていた。

 

今度は空気を抜くだけでなく自転車を蹴りまくったようだった。

 

今度もまた伊藤の仕業だと思った。

 

私は出張自転車修理屋を呼んで直してもらい(GW中のことで自転車屋はどこも休みだったのだ)、今度は別のところに自転車を置いた。

 

そしたら札幌南警察署から連絡があり、「あなたの自転車を預かっているので取りにきてほしい」とあった。

 

私はバスで南警察署まで行って自転車を取り戻した。

 

私は弁護士に相談することにし、実際に札幌市内の弁護士事務所を訪れた。

 

案件を説明すると弁護士は「そんな相談は初めてですねえ。どうかなあ」と言って書棚の前に立ってしきりに本を取り出しては読みはじめた。

 

そしてこう言った。

 

「判例がないんですよ、そういう案件については。だから私としてもどうしようもないですなあ。自転車を部屋に置くことはできないんですか?」

 

私の自転車は重く、私は3階に住んでいて自転車を部屋に置くなら狭い階段を上り下りしなくてはならない。

 

「それはおそらく無理でしょう」と言って帰ってきた。

 

帰宅した私は狭い階段を自転車をかついで上ってみた。

 

予想通り、自転車は重く階段は狭く、ひどく難儀した。

 

ようやっとアパートの自分の部屋の中に入れたときは汗だくになっていた。

 

使うときには、今度も自転車をかつぎ狭い階段を下りなければならない。

 

上るときよりはマシだろうが、重労働になることは容易に予想できた。

 

もう自転車は使えないなと私はあきらめた。

 

しかし数ヵ月、自転車なしで生活してみたら、不便この上なかった。

 

そこで意を決して自転車を1階に下ろし、玄関前にまた置いた。

 

今度もまたパンクさせられるのではないかと恐れたが、しばらく経ってもそれはなかった。

 

どうやら伊藤は見過ごすことにしたのだろうと私は思い、自転車をそのまま玄関前に置きつづけた。

 

それから間もなく、伊藤は引っ越した。

 

またパンクさせられなかったのは、引っ越しで忙しかったからだと思われた。

 

今も伊藤は札幌に住んでいるのだろうか。

 

ちなみに、そのアパートの情けない管理会社は「シティビルサービス札幌」という。

 

その管理会社が管理する物件にな入ったら気をつけてほしい。

 

 

【ダイエット記録】0.5キロ減った。あと-4.7キロだ。