「先々月ごろから、車内で様々なことが動き出し不安なことも多い最近の当社ですが、今日もゆるゆると頑張りすぎないで過ごしましょう」
という文章をネットで見た。
「最近の当社は先々月ごろから事業所内で様々なことが動き出し不安なことも多いですが、今日もゆるゆると頑張りすぎないで過ごしましょう」
となぜ素直に書かないのか。
原田マハさんの小説でもこういう書き方が多くて気になっている。
マハさんはこういう書き方をよくする。
マハさんの文章はひらがなと漢字の配分が絶妙で好きなのだが、「修飾語+名詞+が」の書き方が多いのが残念だ。
例えば、
美術館を訪れた田代だったが、展示室に入った瞬間、期待はいい意味で覆された」
「すでにいつまでも暮れない宵を体験済みの田代だったが、パリの宵の明るさはまた格別だった」
「留学費用の面倒をみていた川崎だったが、本人に会ったことはなかった」
といった文章だ。
文法的には間違いではなさそうである。
しかし、修飾語を付けた名詞のあとになぜいきなり接続詞の「が」をくっつけるのか。
私は違和感を覚える。
衒(てら)いさえ感じる。
格好つけているように感じるのだ。
衒うつもりなどないのだろうが、読者に衒いと受け取られかねないことが問題だ。
修飾語を付けた名詞を強調したいがために、敢えてそういう書き方をしているのかもしれないが、強調する必要がないときでもそういう書き方をかる人がいるので、おそらくはそのように書く癖が付いているのだと思う。
テレビのアナウンサーがよくそういう話し方をするので、話し言葉の癖が出ているのかもしれない。
しかし、書き言葉は話し言葉とは違い、きちんと書くべきだ。
いい文章というのは、何の衒いもなく素直に綴られていくものだ。
それが一番読みやすい。
文章に衒いは無用である。
読者はそこで引っかかり、なめらかに読めないからだ。
読みやすい素直な文章を書くことこそ、文法的に正解なのだ。
ついでに、前にも何度か書いたがまた書くと、疑問符(?)と感嘆符(!)の後に一字開けるのが日本語文章の文字組の基本の「キ」である。
このルールを守っていない文章があまりにも多い。
出版社や編集会社に勤めていればそんなミスはしないが、デザイナーがこのミスをよくやる。
デザインについては習っていても、文字組みについては習っていないからだ。
例えば「私はA型っぽいの?そんなの嫌よ!」といった文章を普通に打ってしまう。
編集部を通せば「私はA型っぽいの? そんなの嫌よ!」と直される。
見た目の見やすさを“見る目”を持っているのに、どうしてこんなことに気づかないのか不思議である。
残念で仕方がない。
また、「ダメよ!!」とか「それなに!?」と書く人も多い。
これは「ダメよ!!」と「なにそれ!?」と書いたほうがいい。
そのほうが締まって見えるからだ。
プロ仕様のデザインソフトには必ず字詰め機能があるので、その機能で「!」と「!」や「?」の字間を詰めてもいい。
さらについでに、英数字とアルファベットの書き方について書いておきたい。
「私はこれについてAに相談したら、それは1だと答えてくれた」
という文章があるとしよう。
「私はこれについてAに相談したら、それは1だと答えてくれた」
と書くとどうだろうか?
前の文章のアルファベットと英数字は半角で、後の文章のアルファベットと英数字は全角なのである。
ちょっと見にはわからないかもしれないが、全角の日本文字の中に半角のアルファベットや数字を入れるとバランスが悪くなる。
しかし、アルファベットや数字でも半角にしたほうがいい場合がある。
「ここにOlympicのメダルが100個ある」
「ここにOlympicのメダルが100個ある」
どうだろうか。
前者のアルファベットと数字は全角で、後者のアルファベットと数字は半角である。
後者のほうが締まって見えるだろう。
こういう細かなところにも気を配って文章を書きたい。
これらのことは誰かから学んだわけでもなく編集の仕事をしていくうちに自然と身についた。
だから、誰であっても読み手が読みやすい文章を書くにはどうすべきか深く考えれば、誰でも気が付くことだと思う。
今は隠居していて仕事から離れているので、上に書いたようなことを他人に押し付ける気はない。
現役のころなら部下たちに徹底させていたけど。
『疑問符(?)と感嘆符(!)の後には…(日本語文章のルール)』
【ダイエット記録】目標達成体重より+5.2キロ。



































