テレビ朝日の『開局65周年記念 松本清張 二夜連続ドラマプレミアム』を観た。
松本清張原作のドラマだからと期待して観た。
第一夜の『顔』も第二夜の『ガラスの城』も原作を読んだが(松本清張の作品はすべて読んでいる)、どちらも原作と大きく違っていて唖然とした。
『顔』では後藤久美子と武井咲がいい演技をしていて良かったが(特に後藤久美子の演技のうまさには驚いた)、内容が原作とあまりに違っていたので呆れた。
いや、原作とはまったく違っていて怒りさえ湧いてきた。
第二夜の『ガラスの城』も、波瑠と木村佳乃の演技はイマイチだったがドラマとしては面白かった。
けれど、これも原作とは大きく違っていて激しく残念だった。
書かれたときが何十年も昔なので、ドラマ化するには今の時代に合わせた設定が必要だとは思う。
その点はいい。
だけど、今回のドラマは原作とあまりにも違いすぎた。
原作を無視したと言ってもいいほどだった。
アレンジが必要なのは時代に合わせるところだけで、あとは原作に忠実にドラマ化したほうがいいのではないかと思う。
確かに今回のドラマはよくできていたが、松本清張が生きていたら果たして「了」としたかどうか。
松本清張の筆を無視しすぎたアレンジだったと思う。
そういう例は他のドラマや映画でも言える。
原作をもっと尊重すべきではないか。
司馬遼太郎は自分の原作がドラマ化や映画化されてもそれらドラマや映画を観ることはなかった。
寛容だったのかテレビや映画が好きじゃなかったからなのか知らないが、そういう原作者もいるが、そうじゃない原作者のほうがずっと多いと思う。
もし私が原作者であれば、「こんなドラマや映画に何で俺の名前を出すんだ?」と首を捻るだろう。
こんなこと書いていないぞと怒るかもしれない。
アレンジが素晴らしすぎたら、そんな才能があったらまったく新しい脚本を書いて原作者の名前など借りずに新作としてドラマ化や映画化すればいいと思う原作者が多いのではないか。
有名な小説家の名前を借りてドラマの視聴率を上げたり映画の動員数を稼ぐというのはどうかと思う。
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