《2022年8月20日》ー北海道を愛するがゆえに気になって仕方のないことを書き残す | aichanの双極性日記

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もうすぐ秋サケ(シロザケ)が帰ってくる。

 

〈回帰した秋サケが産卵場所まで遡上してツガイを作り産卵する〉

 

そこで、サケについて書く。

 

サケこそは北海道の大自然を象徴するものだと思う。

 

ほんの少し前まで、北海道のサケのほとんどすべては、人の手によって生まれさせられ、回帰させられていた。

 

その回帰数は、人工孵化放流事業が始まる以前の何倍にもなっていた。

 

ひょっとすると太古の昔より多くのサケが回帰していたかもしれない。

 

このことは自然の摂理に反していないか?

 

また、それらのサケが4年前後も回遊する北太平洋でも自然のキャパシティーを越えて自然の摂理を狂わせてはいないだろうか?

 

近年、北海道に回帰するサケの数が減ってきている。

 

これは北太平洋に出ていくサケたちが多すぎて餌が不足しているためではないのか?

 

しかも、である。

 

人工孵化放流されるサケたちは遺伝的に近いものが非常に多いのだ。

 

これもかなり大きな問題なのではないか?

 

サケが沿岸に回帰して河口に達したとき、その川が大河である場合、サケの魚体はまだ銀ピカである。

 

生殖器官の発達もまだあまり進んでいない。

 

だから、人間が身を食べるとすればこのときのサケはおいしい。

 

もっと言えば大洋を回遊しているときのサケのほうが脂が乗っていておいしいが、北洋漁業の縮小によってその漁獲は微々たるものになっている。

 

現在、おいしいサケを食べるのに最も現実的な方法は河口近くの沿岸定置網で捕らえることである。

 

大河に回帰するサケが河口ではまだ銀ピカなのは、産卵場所まで遠いので、生殖器官に栄養が取られず、まだ元気だからだ。

 

そこから遡上していくうちに、彼らは少しずつ成熟していき、身の栄養が生殖器官に少しずつ取られていく。

 

川に入ったら餌を食べなくなるので栄養を補給することはない。

 

だから、身の栄養は抜け落ちるばかりで、しかも滝やら堰やら激流やらの難所を体をぶつけ、こすり、傷付けながら上流に向かうため、体は外見上もボロボロになっていく。

 

産卵場所に辿り着くころにはもうヨレヨレになっている。

 

〈産卵場所に達した秋サケ。ヨレヨレのボロボロである〉

〈産卵を終えた秋サケの死骸。ホッチャレと呼ばれる〉

 

しかし、河口から産卵場所まで遠いケースのサケは、そうなるまでに時間がかかる。

 

逆に、海に近いごく小さな川で放流されたサケは、その河口に接近した時点でもう相当に成熟している。

 

そこから遡上を開始すると、餌は食べなくなるし難所を越えていかなければいけないしで、河口からそんなに離れていないところですでにボロボロになってしまう。

 

河口から産卵場所まで近いケースのサケは、すぐにヨレヨレにまでなってしまうわけだ。

 

サケは自分が生まれた場所をかなり正確に記憶しているらしい。

 

河口からどのくらいの地点かということさえ、おそらく知っている。

 

そう考えないと、上に書いた現象を説明できない。

 

ところで、サケのこの習性を知った人間は、こいつぁいいことを知ったぞと喜び、大河で生まれた稚魚を小さな川で放流することを始めた。

 

そのサケがその小さな川に戻ってこないで、やはり生まれた大河のほうに戻るのではないかとも思われたが、しかし、サケたちは小さな川に戻ってきた。

 

これに味をしめた人間は、大河の河口で大量の親魚を捕獲して採卵し受精させ、稚魚にまで育て、その多くを道内各地の小河川でどんどん放流した。

 

北海道の大河川といえば石狩川や十勝川などである。それらの川に帰ってきたサケから生まれたサケが、全道各地の河川に向かって回帰するという事態がずっと続いたのである。

 

これは重大な問題を含むと私は思う。

 

なぜなら、北海道に帰ってくるサケたちの多くが兄弟や親戚だらけという状況になっているかもしれないからだ。

 

遺伝子が次第に画一的になっていくようなこんなことを続けていいのか?

 

それと、もうひとつ問題があった。

 

回帰したサケのほとんどすべては沿岸と河口で捕らえられるので、遡上するサケを獲物にしていたヒグマやワシ類の食料が減っていることは確実である。

 

産卵後に死ぬサケがいなくなれば川の栄養分が貧しくなり、流れ込む海の栄養分も乏しくなるはずだ。

 

近年、国が河口のウライを取り除いて、回帰したサケを自然遡上させる河川をいくつか設けたのは、以上の問題を感じはじめたからではないかと思う。

 

しかし、もう遅いような気がする。

 

サケだけではない。

 

ホタテなんかでも私は心配している。

 

ホタテの養殖が盛んな噴火湾ではホタテを入れたカゴや貝殻に穴を開けてヒモで結んだホタテをずらりと海中に沈めている。

 

そのホタテの数は膨大である。

 

ホタテはプランクトンを食べて成長する。

 

同時に排泄もする。

 

だから噴火湾の生態系は確実に変わっているはずだし、汚くもなっているはずだ。

 

実際、ずいぶん前に噴火湾の養殖ホタテが大量に死んだ。

 

湾の汚濁が原因ではなかったのか?

 

オホーツクや根室、苫小牧等の沿岸では、数センチに育てた子ホタテを大量に海にばらまいている。

 

そしてだいたい4年後に漁獲する。

 

その漁具がスゴい。

 

まるで巨大な熊手みたいなやつで、それを海に沈めて船で引くのである。

 

見たことがあるが、それで穫れるホタテの量といったら半端ではない。

 

甲板にドサドサーッとホタテの巨大な山ができるのだ。

 

〈オホーツクのホタテ漁の水揚げ〉

 

ホタテ以外の魚やヒトデやタコなんかも入ってきそうなものだが、ほとんどホタテだけである。

 

なぜなら、ホタテの稚貝をまくに当たっては、その海底を徹底的に掃除するからだ。

 

目的は天敵のヒトデやタコを駆除するためだというが、あまりにも徹底したその掃除ぶりには疑問が湧く。

 

掃除で使うのはホタテを穫るその巨大な熊手である。

 

それで海底の生き物から何からすべてそっくりすくい取ってしまう。

 

後に残るのは整地されたようなきれいな砂場の海底である。生き物ひとついない砂場ができ上がるのだ。

 

こういう整地漁場を1ヵ所でだいたい4つも作る。

 

最初の年に作った整地漁場に稚貝をまいたら、翌年はその隣の海底を整地して稚貝をまく…というのを4度行い、4つの漁場をこしらえ終えると、最初にまいた稚貝が頃合いの大きさにまで成長しているので第1回目の漁をする。

 

漁を終えればその漁場をまた整地し、また稚貝をまく。

 

こうすると、毎年、同じくらいの量のホタテを漁獲できることになる。

 

しかし、そうして作られる漁場は全道にかなりあり、それぞれ相当に広いのだ。

 

海底を整地して生き物ひとついない砂場にするというのも不気味だが、そこにごっそりとホタテの稚貝をまき、そこでホタテばっかりがぐっちゃりと育つというのも、想像すると気味が悪い。

 

以上のことは、サケやホタテの価格にも影響している。

 

当たり前だ。

 

全道各地でサケやホタテがごっそり穫れたら価格が下がるからだ。

 

価格が下がるのがわかっていながら放流したり漁場を整地する必要があるのか?

 

いやいや、そんな価格のことは置いておこう。

 

問題なのは自然の摂理をいじくりすぎているのに大丈夫なのかということだ。

 

数年後、とんでもない大問題が持ち上がらないことを祈る。

 

関係者の人は以上の問題にはすでに気付いているはずである。

 

今から対策を立てて、すぐさま実行してほしい。

 


【ダイエット記録】0.7キロ減った。あと4.5キロだ。