通信制高校に転校した時の正直な気持ち | しなやか自律神経へ コロナ後遺症・感染症後ME/CFS

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2021年6月、当時高1息子が感染症後CFS発症→現在リカバリー中。
第28回精神保健福祉士国家試験受験のため通信制で学習中。

2021年6月に起立性調節障害(重症)を発症し、現在、自宅療養中の高2男子。 

発症後1年1ヶ月経過。

疾患概念「小児慢性疲労症候群」により現在PS4。 

はじめて当ブログを見られる方は、テーマ別カテゴリ5月1日〜5月16日までの一連の記事がこれまでの経過としてまとまっていますのでご参照ください。

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息子は、中学受験をして私立の中高一貫校に通っていました。

 

高1の6月に起立性調節障害(重症)を発症し、半寝たきり(PS8)の極悪期に突入したことにより9月に学校を辞め、通信制高校に転校しました。

 

3年ちょい通った私立中高一貫校に、現在の息子は何の未練もないどころか「いかに自分が学校に洗脳されて不自由でつまらない人間になっていたかに気づいたよ」と言うのです。

 

これについて、私も最近やっと「そうかもしれない」と腑に落ちてきました。

 

親としてはせっかく受験して入った学校でしたし、彼のこの先の人生に良かれと思って進学を応援しましたから、登校不能となったことはショックでした。

 

息子の発症直後の大混乱の最中にいくつもの「子どもが起立性調節障の方のブログ」を読ませていただいていました。

 

その中で、起立性調節障害になって不登校を余儀なくされた子の親が「むしろ価値観が広がった」と言うのを読むと、最初は「こんな病気になってまで広げたい価値観なんて無いし」とヒネクレていました。

 

そう思っていた私自身こそが、価値観が狭すぎたことに今やっと分かります。

 

息子が中学受験して入ったのは中堅校で、大学はみんな難関大学を目指し、上位の子は早慶や難関国立へ、医学部も出たりする感じ。

 

進学実績を上げ、保護者からの満足を得ようと、学校サイドは生徒を管理する体制でした。

 

頭髪検査、制服検査があり、毎日の生活記録ノートを書いて担任に提出するなどがありました。

大量の宿題や、決まった時間の朝読書などがありました。

様々な体験学習が用意(必須参加)され、至れり尽くせリな環境。

「学校がビシッととやってくれる。私学にお金払っているんだから当然よね」と思ってる親たちが多かったです。

 

でも、社会に出れば様々な縛りや制限がある中で折り合いつけて仕事していくんだから、社会通念上おかしくない規則なら、種々の校則や管理指導あるのは普通だと思っていました。

 

でもでも、息子がその学校を辞めて通信制高校(N高)へ転校し、まさかの長期療養生活の中で、どんどんその学校が、いかに偏っていたかが感じられるように・・・なっちやったんですよね〜・・・息子も私も(夫はどうかな未確認)。

 

頭で考えてそう思う理由は色々ありますが、ありきたりな内容なので、敢えて書きませ〜ん。

 

でも、感覚的に腹落ちした大きな原因がありまして。

 

それは息子がロングヘアーになったこと!

 

息子は全日制の学校を辞めてから髪を伸ばしてるんです。

「せっかくだから今までできなかったことをやってみる。髪を伸ばしてみる」と息子は言いました。

確かに半寝たきりでも可能なチャレンジ。

 

最初はめっちゃ抵抗ありましてね〜、短髪の男子ヘアが、1センチ1センチと伸びていくと「ますます病気になっていくような」「ますます世間と離れた特殊環境になっていくような」気がしましてね〜。

 

今は肩を超えたロングヘア。

さすが16歳、伸びるの早っ!

オールバックにして後ろで結んでます。

近所のおじさんに「アレもう大学生だっけ」と言われました。

確かに。アート系の学生さんに見える。

 

見慣れてきちゃうとむしろオシャレで自由で好ましく感じられるから不思議!ほんと不思議!

私は今の息子を全面肯定してるから、そのヘアスタイルも全面肯定するメンタリティになってるのかな、・・・それは親バカと言うのか。

 

この前、1年前の息子の学生証を見たら、短髪の普通な髪型が、すごく管理体制下っぽく見えたんです。The日本の中高生。

男子は短髪、女子はボブとかロングっていう図式がね、すごくオカシク感じてしまったんです。

 

「なにこの頃の息子。窮屈で堅苦しい、社会的偏見の中で縮こまっているみたい」なんて思えてしまったのです。

ちょい過剰反応とはいえ、そんな自分にビックリ。

 

「この生き方」「この世界」だけじゃない、世界はもっと広かった。

この真実を母親に腹落ちさせるのに、息子のロングヘアーは効果的でした。

 

私たち夫婦は昭和46〜47年生まれ。

価値観多様化する社会で大人になった世代とはいえ、第二次ベビーブームで生徒数多めの都内で成長した昭和世代。

大学は浪人してでもMARCH早慶以上を目指すのが良し、特に男子ならそうすべき、女子なら現役で有名女子大で十分じゃない?な偏見ある環境の中で学生時代を過ごしました。

 

だからやはり定時制高校とか通信制高校というのは別世界で知識ゼロでした。

息子を育てるうちに、上記の図式が崩壊して少子化一直線になったものの。

 

そんな中で私は、不登校の状態になる子どもたちが、この歪んだ現代社会へ大事な問題提起をしてくれている可能性に気づけないで来ました。

 

もっともっと、子どもたちも大人たちも、多様な学びの場と活躍できる場があって、いい。

そうなった方がいい。今は心底そう思っています。

息子のように一時的に学習不能に陥っても、高校が無学年制で単位制であれば、体調回復してから自由に何年かかけて卒業したっていいのだし。

 

まだまだ過渡期なんだな今の日本は。

 

私はそこそこ海外渡航経験もあり、広い見識を得ている方だと思っていましたが、子育てする中で日本の透明な罠にハマっていたような気がします。

 

感覚的な話以外に語りたいことがありますが、また次の機会に。

 

50過ぎて学ぶことたくさんありますわ・・・謙虚な姿勢で学び続けたいと思います。

 

↓こちらの本。

人生いろいろなルートがある。学びの本質とは何かが伝わり、しなやかな生き方を選ぶ清々しい風が吹く本でした。お勧め。

 

1963年生まれ。東京大学経済学部教授。中学卒業後、父親の海外転勤にともないブラジルへ。ブラジルでは高校に行かずに独学生活を送る。大検を受け慶応義塾大学経済学部通信教育課程へ入学。大学時代はシンガポールで通信教育を受けながら独学生活を続ける。大学を卒業後、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士(東京大学)。