高照度光療法・退院して1カ月後の診察② | しなやか自律神経へ コロナ後遺症・感染症後ME/CFS

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2021年6月、当時高1息子が感染症後CFS発症→現在リカバリー中。
第28回精神保健福祉士国家試験受験のため通信制で学習中。

2024年1月に当ブログの記事を訂正し再更新しました。

以下は当時の記録としてご参考までにお読みください。

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診察に続いて、次は心理士によるフォロー面談です。

内容は、入院中に実施されたwaisⅢ、AQテスト、PARS、PFスタディの結果説明、今後へのアドバイスといったものでした。

 

AQテスト、PARSでは自閉傾向が数値で出るのですが、息子はいずれも標準からちょっと出ていて、医師からは「ASDと診断して問題ないです」と言われました。

 

「あなたはASDです」ではなく「ASDと診断して問題ないです」と表現するニュアンスについて尋ねてみると・・・

 

「診断名として告げても、治療するわけでもないので。診断書を書く必要があれば書きます」というスタンスであると説明されました。

 

waisⅢの結果から、知覚推理が突出していた点について「職業に直結するか分かりませんが、モノ作り系はずば抜けて得意です。努力することなく人並み以上にできるでしょう。特に何かを見てその通りに作るものは、立体であっても難なく出来ます。」とのこと。

へえ~・・・そんな工作が得意とか思ったことはなかったけど、図工の工作とはまたちょっとテイストが違う分野の突出があるのかな?と思わされました。

息子に「文化財の修復作業する人なんてどう?」と聞くと「工芸は別に」とドライに返されました。

 

PFスタディというのが興味深かったのですが、これは「対人関係のストレスやイライラをどう処理するかという特長をみるもの」です。

心理士から繰り返し言われたのは「自分をねぎらいましょう」ということ。

自分に厳しくストイック過ぎ、自罰的な傾向が目立っている結果のようです。

このあたり、彼の交感神経を過剰にさせる要因だということは予想ついてましたが、検査結果で数値として出ると説得力がありました。

本人も「やっぱね・・・」と苦笑い。

 

そして心理士からは「彼は口では人とは関わりたくない、一人がいいと言いますが、本当は人と理解し合って関わり合いたい本音がありますね」と2回繰り返して言われました。

そう・・・息子はASD特有の自閉的傾向・合理的思考・一種のクールさがあるものの、同時にとってもハートフルで激情家、真実の友愛を渇望するアート系ロマンチストさん。

そのあたり、ちゃんと出てるんだなぁと、内心ニヤニヤしちゃいました。

 

私は心理士に「息子にはアサーショントレーニング(適切な自己主張の訓練)みたいなのが有効ですかね?」と聞くと「その段階はレベルが高いので、まずは自分の気持ちに気付く段階からスタートです。それから他者の気持ちに気付くこと。その次にアサーションです」と言われ、むむぅ、なるほど納得!

 

そこで息子は「そういえば、心理テストをしていて気づいたんですが、僕は相手の表情から相手の気持ちに気付くことが出来ていないようです。対象が人であるよりも、物を見た時の方が詳細を把握して反応できていることが分かりました」と言いました。

ほっほー、興味深い検査があったのね。

 

息子のメンタリティには相反する強い特徴があるのよね。

ハートフル映画で号泣するけど、目の前の人の気持ちに気付けない。

冷徹で合理的に人を選別するかと思えば、不条理で苦しんだ故人を思い涙する。

みたいな。

 

そこで心理士からは、病院が主催している対人関係スキルを学ぶプログラムを推奨されましたが、息子はツレナイ態度で「いや、今はモチベーション湧きませんし、やろうとは思いませんね」と答えました。

 

私は「あら~やったらいいのに~。まさに〇〇にピッタリじゃない(なんなら夫も一緒にやればいいのに@心の声)」と言うと、心理士は「いえ、本人にその気がないと意味がないので、〇〇君がやってみたいと思ったら参加してください。人生の色々なタイミングで『自分はこれを学ぶ必要がある、学びたい』と思う時が来るかもしれないので、その時に逃さずやるのが良いと思います。こういうプログラムがあるんだ、ということを今は知っていてくださればいいかと思います。」とのこと。

むむぅ、またまた納得!

 

この後、息子は何故そのプログラムをやろうと思わないかについて、本音を語ります。

そして心理士は、それに対して真摯に向き合って鳥肌モノの答えをしてくれました。

生き方に関わる哲学的な内容だったので、ちょっとここに書くことは出来ないのですが、このような人の深層心理に触れていく検査と、それを活かしたカウンセリングというものの力を感じました。

 

そんなこんなで、たっぷり充実の心理面談でした。

 

終わった後、息子は心理士について「・・・・いい人。なんていい人なんだ。どうやったらあんないい人になれるんだ」と何度も言ってました。

その臨床心理士さん(年齢不詳ですが40代くらいかな?の女性)は素晴らしかったです。

正直で誠実で率直、そして優しさに溢れていました。

そういうのって言外から思い切り伝わります。

 

高照度光療法と合わせて、充実の心理検査が実施され、アフターフォローも的確。

高度な精神医療を受けられたんだなぁと実感しました。

 

入院治療したからといって今すぐ一連の症状が治るわけじゃないのは分かっていたので、今はこれで十分です。

総合的には、得られたらいいなと思った以上のものをいただけたと感じています。

 

息子は今後、この経験を何度も振り返るだろうと予想します。

強いエネルギーを持った大きな種を与えてくださったと感じます。

 

※ちなみに、私の質問「アサーショントレーニング」については、大御所の平木典子氏の本がいいと思うとのこと、早速、買いました。

長く読み返すことになりそうです。後日、書く予定。