2024年1月に当ブログの記事を訂正し再更新しました。
以下は当時の記録としてご参考までにお読みください。
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高照度光療法の入院治療を受け、退院して1カ月経過。
先日、退院後はじめての診察がありました。
担当医に聞けたことは、以下の通り。
質問1「入院中に撮ったMRIの結果は異常なかったんですよね?」
→「異常なしです。直近でコロナ感染していたら所見を得られる場合がありますが、それはありませんでした。委縮等もありませんでした」
質問2「フェリチンはどうでしたか。鉄剤を飲んでいるので過剰になっていないでしょうか。」
→「フェリチン120でした。十分ですね。これ以上の鉄材摂取は必要ないでしょう」
質問3「改めて伺いたいのですが息子の病名は何とつきますか」
→「我々睡眠科としては『睡眠覚醒相後退症候群』となります。
前回、お話にありました『慢性疲労症候群』ですが、私はその病名を診断しません。
他に病名が付けられない場合にソレをつけるケースも多く、病名を付けたからといってコレといった治療法があるわけではありません。
むしろ、その病名をつけることによって患者本人の可能性を制限してしまうことを危惧しています。慢性疲労症候群だから治らないんだ、この症状が出てしまうのはしょうがないんだ、と思ってしまうことがあります。
コロナ後遺症も慢性疲労症候群と言われることもあるようですが、後遺症といのは、非常にスローペースであれ治っていくものです。実際、コロナ後遺症の方も、少しずつ少しずつ良くなっていきます。
良くなっていく、治っていくのであれば、それは慢性疲労症候群ではないと言えます。この病院には慢性疲労症候群を診断する医師もいますが、強い希望であれば紹介することも可能ですが、私としては、彼についてはその病名はちょっと・・・(語尾ぼかされ、とにかく私は彼をCFSと診断はしない、というポジションでした)」
質問4「入院中の検査では抑うつ傾向で不安感が強いと出ていたようですが、抗うつ剤などの処方対象にはならないのでしょうか。そういう治療は有効ではないのでしょうか」
→「彼には意欲があり、たくさん映画を観たりして楽しんでいるので、うつ病というわけではないです。(私がレクサプロ飲んで調子よいことを伝えると)お母様がレクサプロで良くなられているなら、ご家族の傾向として同じように効果ある可能性はありますが・・・現時点では彼は抗うつ剤を処方する『うつ病』ではありません」
質問5「光療法で明らかに調子は良くなっていると感じます。今後の治療はどのように進めていけばいいでしょうか」
→「光療法の効果があるなら数か月は継続し、続けてリズムを整えましょう。
そうしていっても、まだ残る症状に対して別のアプローチが出来るかもしれません」
質問6「起床7時半が継続できていますが、就寝24時頃なので、少し睡眠不足ではないかと気になっていますが、どうですか」
→「起床時間を遅くすれば、もちろん睡眠時間は伸びますね。けれど、そうするとリズムが整わなくなるので、今の状態を続ける方が良いでしょう。
7時間睡眠は少なめではありますが、大きな問題となるほどではありません。
継続するうちにもう少し早く入眠できるようになれば、それが理想形です」
こんなところでしょうか。
特に息子の病態についてはメカニズムが謎すぎるあまり「慢性疲労症候群」のキーワードで症状への対処を探し続けていましたが、先生がおっしゃた「慢性疲労症候群という疾病概念に囚われる弊害」について聞くと、なるほどそういう側面もあるのか、と新しい視点をいただいた感覚がありました。
長く続く病気生活の中では、そうなっちゃう事もあり得るのだろうな・・・難しいところですね。
医師は「彼にアスペルガー症候群と診断することも同様です。それが彼にとってプラスに働くなら診断名は有効ですが、そうでないケースもあるので」と言われました。
うつ病についても、やはり息子は「うつ病」ではないと、改めて分かりました。
発症してから今まで、うつ病っぽさは無く、一定の意欲と明るさが常にあります。
もちろん体がいう事をきかない強いストレス下では当然に抑うつ的な気分になりますが、いわゆる意欲減退のうつ病の様相はないのですよね。
息子のケースでは今のところ、高照度光療法を自宅で継続することにメリットが大きいと思われるので、本人も希望を持って頑張ろうと思っている雰囲気です。
その後は、臨床心理士から、発達検査についてのフォロー面談がありました。
次回に続きます。