源氏物語イラスト訳【紅葉賀137】さるは | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏物語イラスト訳【紅葉賀137】さるは

「さるは、好き好きしううち乱れて、この見ゆる女房にまれ、またこなたかなたの人びとなど、なべてならずなども見え聞こえざめるを、…」

 

【これまでのあらすじ】

桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが、源氏姓を賜り、臣下に降ります。亡き母の面影を追い求め、恋に渇望した光源氏は、父帝の妃である藤壺宮と不義密通に及び、懐妊させてしまいます。

光源氏18歳冬。藤壺宮は離宮に下がり、光源氏との不義密通の御子を出産しました。源氏は罪悪感に苛まれながらも、左大臣邸にも行かず、二条院で紫の君と過ごすことが多く、父帝から怒られています。

 

 

源氏物語イラスト訳 

 

 

さるは好き好きしううち乱れ

訳)そうはいうものの好色がましく乱れたようにふるまっ

 

 

この見ゆる女房まれ

訳)ここの見える女房であれ

 

 

またこなたかなた人びとなど、

訳)またここかしこ女たちなどと、

 

 

なべてならずなど見え聞こえめる、…」

訳)並々でないなど見えたり噂も聞こえないようだ、…」

 

 

【古文】

さるは好き好きしううち乱れこの見ゆる女房まれ、またこなたかなた人びとなど、なべてならずなど見え聞こえめる、…」

 

【訳】

そうはいうものの好色がましく乱れたようにふるまっここの見える女房であれ、またここかしこ女たちなどと、並々でないなど見えたり噂も聞こえないようだ、…」

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【さるは】…そうはいうものの

■【好き好きしう】…シク活用形容詞「好き好きし」連用形ウ音便

※【すきずきし】…好色がましい

■【うち乱る】…乱れる。くつろぐ「うち」は接頭語

■【て】…単純接続の接続助詞

■【この】…指示連体詞

■【女房】…葵上のおつきの女官

■【に】…断定の助動詞「なり」連用形

■【まれ】…~であっても「~もあれ」の略

■【こなたかなた】…ここかしこ

■【の】…連体修飾格の格助詞

■【人びと】…逆接の接続助詞

■【など】…例示の副助詞

■【なべてならず】…並々でない、格別だ

■【見え】…ヤ行下二段動詞「見ゆ」連用形

■【聞こえ】…ヤ行下二段動詞「きこゆ」未然形

※【聞こゆ】…噂に聞く

■【ざ】…打消の助動詞「ず」連体形撥音便の無表記

■【める】…推定の助動詞「めり」連体形

■【を】…逆接の接続助詞

 

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◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

「さるは、好き好きしううち乱れて、この見ゆる女房にまれ、またこなたかなたの人びとなど、なべてならずなども見え聞こえざめるを、いかなるもののくまに隠れありきて、かく人にも怨みらるらむ」とのたまはす。

 

】 傍線部の説明として最も適当なものを選べ。

 

.源氏がそこらの女房たちなどと格別な仲になっているという噂も、帝は耳にしていない。

 

.源氏がたいした身分ではない女人に手を出していると、女房たちは噂し合っている。

 

.源氏が心を寄せているのは正妻の他にいるようだと、帝は察している。

 

.源氏がそこらの女房たちなどにちょっかいを出しているのだと、正妻は気づいている。

 

.源氏が身分の低い女人にうつつを抜かしているという噂は、正妻の耳には入っていない。

 

 

【なべてならず】というのは、

並々でない、格別だ

という意味です。

 

一語一語、ていねいに訳出すると、逆に何を言いたいのか見えなくなってしまう場合があります。

 

イラスト訳の分量で区切りながら、

イメージを湧かしながら読むと、見えてくることもあります。

 

 

着実にトレーニングして、古文目線を鍛えていきましょう!

 

 

 

 

 

 

 

 

※【答え】は最後にあります。ぜひやってみてね!

ウインクウインクウインク

 

 

 

 

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