源氏物語イラスト訳【紅葉賀125】我も一日も | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏物語イラスト訳【紅葉賀125】我も一日も

「我も、一日も見たてまつらぬはいと苦しうこそあれど、幼くおはするほどは、心やすく思ひきこえて、まづ、くねくねしく怨むる人の心破らじと思ひて、むつかしければ、しばしかくもありくぞ。…」

 

【これまでのあらすじ】

桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが、源氏姓を賜り、臣下に降ります。亡き母の面影を追い求め、恋に渇望した光源氏は、父帝の妃である藤壺宮と不義密通に及び、懐妊させてしまいます。

光源氏18歳冬。藤壺宮は離宮に下がり、光源氏との不義密通の御子を出産しました。四月になり、藤壺宮と御子が宮中に戻りました。源氏は罪悪感に苛まれながらも、紫の君のいる二条院で時を過ごしています。

 

 

源氏物語イラスト訳 

 

 

、一日たてまつらいと苦しうこそあれ

訳)わたし、一日でも申し上げないのは、とてもつらいことではあるけれど

 

 

幼くおはするほど心やすく思ひきこえて、

訳)幼くいらっしゃるうち心安く思い申し上げて、

 

 

まづ、くねくねしく怨むる破ら思ひて、

訳)まずは、ひねくれて嫉妬する女人機嫌損ねないようにしよう思って、

 

 

むつかしけれしばしかくありく

訳)うっとうしいのでしばらくの間このように出かけるのです

 

 

【古文】

、一日たてまつらいと苦しうこそあれ幼くおはするほど心やすく思ひきこえて、まづ、くねくねしく怨むる破ら思ひて、むつかしけれしばしかくありく。…」

 

【訳】

わたし、一日でも申し上げないのは、とてもつらいことではあるけれど幼くいらっしゃるうち心安く思い申し上げて、まずは、ひねくれて嫉妬する女人機嫌損ねないようにしよう思って、うっとうしいのでしばらくの間このように出かけるのです。…」

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【我】…わたし。光源氏のこと

■【も】…添加・強意の係助詞

■【見】…マ行上一段動詞「見る」連用形

■【たてまつら】…ラ行四段動詞「たてまつる」未然形

※【たてまつる】…謙譲の補助動詞(源氏⇒紫の君)

■【ぬ】…打消の助動詞「ず」連体形

■【は】…取り立ての係助詞

■【いと】…とても

■【苦しう】…シク活用形容詞「苦し」連用形ウ音便

■【こそ】…強意の係助詞(結びの流れ)

【あれ】…ラ変動詞「あり」已然形

■【ど】…逆接の接続助詞

■【幼(をさな)く】…ク活用形容詞「をさなし」連用形

■【おはする】…サ変動詞「おはす」連体形

※【おはす】…「あり」の尊敬語(源氏⇒紫の君)

■【ほど】…うち。時。あいだ

■【は】…取り立ての係助詞

■【心やすく】…ク活用形容詞「心やすし」連用形

■【思ひ】…ハ行四段動詞「おもふ」連用形

■【きこえ】…ヤ行下二段動詞「きこゆ」連用形

※【きこゆ】…謙譲の補助動詞(源氏⇒紫の君)

■【て】…単純接続の接続助詞

■【くねくねしく】…シク活用形容詞「くねくねし」連用形

※【くねくねし】…ひねくれている

■【怨むる】…マ行上二段動詞「うらむ」連体形

※【怨(うら)む】…恨む。ここでは、嫉妬する意

■【人】…ここでは、源氏の恋人の女人たちの意

■【の】…連体修飾格の格助詞

■【心破る】…機嫌を損ねる

■【じ】…打消意志の助動詞「じ」終止形

■【と】…引用の格助詞

■【思ひ】…ハ行四段動詞「おもふ」連用形

■【て】…単純接続の接続助詞

■【むつかしけれ】…シク活用形容詞「むつかし」已然形

※【むつかし】…うっとうしい

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

■【しばし】…しばらくの間

■【かく】…このように

■【も】…強意の係助詞

■【ありく(歩く)】…出かける。外出する

■【ぞ】…強意の係助詞(文末用法)

 

重要古語一覧はこちら

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「我も、一日も見たてまつらぬはいと苦しうこそあれど、幼くおはするほどは、心やすく思ひきこえて、まづ、くねくねしく怨むる人の心破らじと思ひて、むつかしければ、しばしかくもありくぞ。おとなしく見なしては、他へもさらに行くまじ。人の怨み負はじなど思ふも、世に長うありて、思ふさまに見えたてまつらむと思ふぞ」

 

】 傍線部の意味として最も適当なものを選べ。

 

.素直でない他の恋人たちに遠慮しないようにしよう

 

.なよなよとした女人たちに愛想をふるまおう

 

.ひねくれた源氏の恋人たちの機嫌を損ねないようにしよう

 

.つかみ所のない他の愛人たちに一泡吹かせてやりたい

 

.めったに行かない他の愛人たちの機嫌を損なってはいけない

 

 

「くねくねし」は、ほとんどの単語帳にはあまり載ってない古語です。

 

 

 

 

こういう単語は、字義や文脈により識別していくことになります。

 

「心破る」も、字義で捉える多義語ですね。

 

そういう単語は、イメージのみを湧かせて、

きちんと頭に入った文法事項で選択肢を検討していきましょう。

照れ照れ照れ

 

 

 

助動詞「じ」は、「む」の対義語です。

「む」と同じく、主語で識別していきます。

 

 

「じ」の直後に、「~と思ひて」とつながっていくので、心中会話文と捉え、主語は「私(一人称)」と判別することができます!

 

 

 

 

 

 

※【答え】は最後にあります。ぜひやってみてね!

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