源氏物語イラスト訳【紅葉賀123】姫君例の | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏物語イラスト訳【紅葉賀123】姫君例の

姫君、例の、心細くて屈したまへり。絵も見さして、うつぶしておはすれば、いとらうたくて、

 

【これまでのあらすじ】

桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが、源氏姓を賜り、臣下に降ります。亡き母の面影を追い求め、恋に渇望した光源氏は、父帝の妃である藤壺宮と不義密通に及び、懐妊させてしまいます。

光源氏18歳冬。藤壺宮は離宮に下がり、光源氏との不義密通の御子を出産しました。四月になり、藤壺宮と御子が宮中に戻りました。源氏は罪悪感に苛まれながらも、紫の君のいる二条院で時を過ごしています。

 

 

源氏物語イラスト訳 

 

 

姫君例の心細く屈したまへ

訳)紫の姫君は、いつものように心細くふさぎ込んらっしゃる

 

 

さして、うつぶしおはすれ

訳)絵を見ること途中で止めて、うつ伏しいらっしゃるので

 

 

いとらうたくて、

訳)とてもかわいらしくて、

 

 

【古文】

姫君例の心細く屈したまへ。絵さして、うつぶしおはすれいとらうたくて、

 

【訳】

紫の姫君は、いつものように心細くふさぎ込んらっしゃる。絵を見ること途中で止めて、うつ伏しいらっしゃるのでとてもかわいらしくて、

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【姫君】…紫の姫君

■【例の】…いつものように

■【心細く】…ク活用形容詞「心細し」連用形

■【て】…単純接続の接続助詞

■【屈す】…気がめいる。気がふさぐ

【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」已然形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒紫の君)

■【り】…完了(存続)の助動詞「り」終止形

■【も】…添加の係助詞

■【見さす】…見るのを途中でやめる

※【―さ(止)す】…~するのを途中でやめる

■【て】…単純接続の接続助詞

■【うつぶし】…サ行四段動詞「うつ伏す」連用形

■【おはすれ】…サ変動詞「おはす」已然形

※【おはす】…「あり」の尊敬語(作者⇒紫の君)

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

■【いと】…とても

■【らうたく】…ク活用形容詞「らうたし」連用形

※【らうたし】…かわいらしい

■【て】…単純接続の接続助詞

 

重要古語一覧はこちら

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

姫君、例の、心細くて屈したまへり。絵も見さして、うつぶしておはすれば、いとらうたくて、御髪のいとめでたくこぼれかかりたるを、かき撫でて、
「他なるほどは恋しくやある」
とのたまへば、うなづきたまふ。

 

】 傍線部の意味として最も適当なものを選べ。

 

.絵を見ることもできず

 

.絵を見ることもやめず

 

.絵を見ることも気にならず

 

.絵を見ることも途中で止めて

 

.絵を見ることも継続させて

 

 

「さす」は、「差す」「指す」「注す」「刺す「鎖す」など、たくさんの漢字が想定される多義語のうえに、使役・尊敬の助動詞「さす」もありますよね。

 

今回の用いられ方は、あまり辞書には明確に載っていませんが、古文読解の際には、非常に注意しなければならない重要古語です。

 

 

例文も含めて、こういう使い方を覚えていきましょうね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※【答え】は最後にあります。ぜひやってみてね!

ウインクウインクウインク

 

>>次へ

 

>>初めから読む

 

YouTubeにもちょっとずつ「イラスト訳」の動画をあげています。

日々の古文速読トレーニングにお役立てください。

おねがい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

答え…【4】