源氏物語イラスト訳【紅葉賀100】やむごとなき御腹 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏物語イラスト訳【紅葉賀100】やむごとなき御腹

「かうやむごとなき御腹に、同じ光にてさし出でたまへれば、疵なき玉」と思しかしづくに、宮はいかなるにつけても、胸のひまなく、やすからずものを思ほす。

 

【これまでのあらすじ】

桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが、源氏姓を賜り、臣下に降ります。亡き母の面影を追い求め、恋に渇望した光源氏は、父帝の妃である藤壺宮と不義密通に及び、懐妊させてしまいます。

光源氏18歳冬。藤壺宮は離宮に下がり、光源氏との不義密通の御子を出産しました。四月になり、藤壺宮と御子が宮中に戻りました。

 

 

源氏物語イラスト訳 

 

 

かうやむごとなき御腹同じ光にてさし出でたまへ

訳)このように高貴なお方の御腹から源氏と同じように光り輝い生まれなさっので

 

 

なき思しかしづくに、

訳)欠点ない玉のような御子だ」と、お思いあそばし大切に慈しむので、

 

 

いかなるつけも、胸のひまなく

訳)藤壺宮何事つけも、胸の痛みの消える間なく

 

 

やすからもの思ほす

訳)心穏やかでなく思いをしていらっしゃる

 

 

【古文】

かうやむごとなき御腹同じ光にてさし出でたまへなき思しかしづくに、いかなるつけも、胸のひまなくやすからもの思ほす

 

【訳】

このように高貴なお方の御腹から源氏と同じように光り輝い生まれなさっので欠点ない玉のような御子だ」と、お思いあそばし大切に慈しむので、藤壺宮何事つけも、胸の痛みの消える間なく心穏やかでなく思いをしていらっしゃる

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【かう】…このように「かく」のウ音便

■【やむごとなき】…ク活用形容詞「やむごとなし」連体形

※「やむごとなし】…高貴だ

■【御腹(おんはら)】…敬うべき女性のお腹。またそのお腹から産まれた子

■【に】…対象の格助詞

■【同じ光】…源氏と同様に光り輝いて美しい様子

■【にて】…状態の格助詞

■【さし出づ】…生まれ出る

■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」已然形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒御子)

■【れ】…完了の助動詞「り」の已然形

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

■【疵(きず)】…欠点

■【なき】…ク活用形容詞「無し」連体形

■【玉(たま)】…宝玉(御子の比喩)

■【と】…引用の格助詞

■【思し】…サ行四段動詞「おぼす」連用形

※【おぼす】…「思ふ」の尊敬語(作者⇒桐壺帝)

■【かしづく】…大切に養育する。慈しむ

■【に】…順接の接続助詞

■【宮(みや)】…藤壺宮

■【は】…取り立ての係助詞

■【いかなる】…ナリ活用形容動詞「いかなり」連体形

■【に】…対象の格助詞

■【つけ】…カ行下二段動詞「付く」連用形

■【て】…単純接続の接続助詞

■【も】…強意の係助詞

■【胸のひま(隙)】…胸の痛みの消えるすき間

■【なく】…ク活用形容詞「無し」連用形

■【ものを思ほす】…もの思いにふけっていらっしゃる

※【思ほす】…「思ふ」の尊敬語(作者⇒藤壺宮)

 

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【大学入試予想:マーク問題】

 

「かうやむごとなき御腹に、同じ光にてさし出でたまへれば、疵なき玉」と思しかしづくに、宮はいかなるにつけても、胸のひまなく、やすからずものを思ほす。

 

】 傍線部の説明として最も適当なものを選べ。

 

.光源氏の出生がすばらしいということ

 

.藤壺の出生がすばらしいということ

 

3.御子がこの上なく美しいということ

 

.帝の寵愛がすばらしいということ

 

.御子が高貴な藤壺から産まれたということ

 

 

【御腹】というのは、高貴な女性のお腹という意味です。

転じて、高貴な女性のお腹から産まれた御子という意味にもなります。

 

 

「やむごとなし」は、「高貴な」という意味ですが、

同じ高貴の「あてなり」と比べて、それ以上の最上級の高貴を指します。

 

つまり、藤壺宮から産まれた御子のことを言っているんですね。

 

 

 

 

※【答え】は最後にあります。ぜひやってみてね!

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