源氏物語イラスト訳【末摘花135】アドバイス | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏物語イラスト訳【末摘花135】アドバイス

「晴れぬ夜の月待つ里を思ひやれ同じ心に眺めせずとも」

口々に責められて、紫の紙の、年経にければ、灰おくれ古めいたるに、

 

【これまでのあらすじ】

故常陸宮の姫君(末摘花)との初夜を終えた光源氏。なんだか思っていたのと違って、幻滅し、翌日は足が向かず、手紙だけを送ります。

 

 

源氏物語イラスト訳 

 

 

晴れ待つ思ひやれ

訳)雨雲の晴れない月(貴方)を待っている里(わたし)思いやってください

 

 

同じ眺めとも

訳)わたしと同じ気持ち眺めているのでないとしても

 

 

口々責められて、

訳)女房たちから口々責められて、

 

 

【古文】

晴れ待つ思ひやれ同じ眺めとも

口々責められて、紫の紙けれ灰おくれ古めいたる

 

【訳】

雨雲の晴れない月(貴方)を待っている里(わたし)思いやってください

 わたしと同じ気持ち眺めているのでないとしても

女房たちから口々責められて、紫色の紙年数経ってしまっので色あせて古くなっ

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【晴れ】…ラ行下二段動詞「晴(は)る」未然形

■【ぬ】…打消の助動詞「ず」の連体形

■【の】…連体修飾格の格助詞

■【月】…光源氏の見立て

■【待つ】…タ行四段動詞「待つ」連体形

■【里(さと)】…末摘花の見立て

■【を】…対象の格助詞

■【思ひやれ】…ラ行四段動詞「思ひやる」命令形

■【同じ】…シク活用形容詞「同じ」連体形

■【心】…気持ち

■【に】…状態の格助詞

■【眺め】…眺めること。もの思いにふけること

■【せ】…サ変動詞「す」未然形

■【ず】…打消の助動詞「ず」終止形

■【とも】…逆接仮定条件の雪像助詞

■【口々に】…大勢の人が同じことをそれぞれに

■【責(せ)め】…マ行下二段動詞「責(せ)む」未然形

■【られ】…受身の助動詞「らる」連用形

■【て】…単純接続の接続助詞

■【紫の紙】…紫色の和紙

■【の】…同格の格助詞

■【灰おくる】…紫色を染めるのに使った椿(つばき)の灰の効力がなくなり、紫の色があせる

■【古めい】…カ行四段動詞「古(ふる)めく」連用形イ音便

※【古(ふる)めく】…古くなる。古びる

■【たる】…存続の助動詞「たり」連体形

■【に】…対象の格助詞

■【きこゆる】…ヤ行下二段動詞「きこゆ」連体形

※【きこゆ】…謙譲の補助動詞(作者⇒末摘花)

 

重要古語一覧はこちら

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

【本日の源氏物語】

 

「口々に責められて…」とあるので、

今回は、侍従が書いたのではなく、

「こんなふうに書いたらどうですか?」と、アドバイスした、というくらいの意味でいいでしょう。

 

いずれにせよ、末摘花は、自分でなんにもできないようですよね~;;

 

笑い泣き笑い泣き笑い泣き

 

 

>>次へ

 

>>初めから読む

 

YouTubeにもちょっとずつ「イラスト訳」の動画をあげています。

日々の古文速読トレーニングにお役立てください。

おねがい