源氏物語イラスト訳【末摘花125】内裏 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏物語イラスト訳【末摘花125】内裏

起き上がりたまひて、
「心やすき独り寝の床にて、ゆるびにけりや。内裏よりか」
とのたまへば、

 

【これまでのあらすじ】

故常陸宮の姫君の噂を聞いた光源氏は、「零落した悲劇の姫」という設定に憧れと好奇心を抱き、乳母子の大輔命婦の手引きにより、ようやく逢瀬を迎えました。

 

 

源氏物語イラスト訳 

 

 

起き上がりたまひて、

訳)起き上がりなさって、

 

 

心やすき独り寝にてゆるびけり

訳)気楽な独り寝寝床ので気がゆるんでしまっなあ

 

 

内裏よりのたまへ

訳)宮中から来たのおっしゃる

 

 

【古文】

起き上がりたまひて、
心やすき独り寝にてゆるびけり内裏より
のたまへ

 

【訳】

起き上がりなさって、

気楽な独り寝寝床ので気がゆるんでしまっなあ宮中から来たの

おっしゃる

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【起き上がり】…ラ行四段動詞「起き上がる」連用形

■【たまひ】…ハ行四段動詞「たまふ」連用形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)

■【て】…単純接続の接続助詞

■【心やすき】…ク活用形容詞「心やすし」連体形

※【心やすし】…気楽だ

■【独り寝】…女性を伴わずに寝ること

■【の】…連体修飾格の格助詞

■【床(とこ)】…寝床

■【にて】…原因の格助詞

■【ゆるび】…バ行四段動詞「ゆるぶ」連用形

※【ゆるぶ】…気がゆるむ

■【に】…完了の助動詞「ぬ」連用形

■【けり】…詠嘆の助動詞「けり」の終止形

■【や】…詠嘆の間投助詞

■【内裏(うち)】…宮中

■【より】…起点の格助詞

■【か】…疑問の係助詞(文末用法)

■【と】…引用の格助詞

■【のたまへ】…ハ行四段動詞「のたまふ」已然形

※【のたまふ】…「言ふ」の尊敬語(作者⇒頭中将)

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

 

重要古語一覧はこちら

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

【本日の源氏物語】

 

「朝寝」を頭中将にとがめられた光源氏――。

「独り寝の気の緩み」と、うまくかわしましたねぇ!

 

びっくりびっくりびっくり

 

そして、話題をかえて、「内裏(宮中)からか?」と聞いています。

 

内裏」というのは、「だいり」とも読みますが、「うち」と読むことも覚えておきましょう。

 

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