源氏物語イラスト訳【末摘花124】朝寝 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏物語イラスト訳【末摘花124】朝寝

思ひ乱れておはするに、頭中将おはして、

「こよなき御朝寝かな。ゆゑあらむかしとこそ、思ひたまへらるれ」
と言へば、

 

【これまでのあらすじ】

故常陸宮の姫君の噂を聞いた光源氏は、「零落した悲劇の姫」という設定に憧れと好奇心を抱き、乳母子の大輔命婦の手引きにより、ようやく逢瀬を迎えました。

 

 

 

源氏物語イラスト訳 

 

 

思ひ乱れおはする

訳)あれこれ思い悩んいらっしゃる時に

 

 

頭中将おはして、

訳)頭中将いらっしゃって、

 

 

こよなき朝寝かな

訳)この上ない朝寝だなぁ

 

 

ゆゑあらかしこそ思ひたまへらるれ言へ

訳)なにか理由あるだろうと、思い申し上げずにいられません言う

 

 

【古文】

思ひ乱れおはする頭中将おはして、

こよなき朝寝かなゆゑあらかしこそ思ひたまへらるれ
言へ

 

【訳】

あれこれ思い悩んいらっしゃる時に頭中将いらっしゃって、

この上ない朝寝だなぁ。なにか理由あるだろうと、思い申し上げずにいられません

言う

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【思ひ乱れ】…ラ行下二段動詞「思ひ乱る」連用形

※【思ひ乱る】…あれこれ思い悩む

■【て】…単純接続の接続助詞

■【おはする】…サ変動詞「おはす」連体形

※【おはす】…「あり」の尊敬語(作者⇒光源氏)

■【に】…時の格助詞

■【頭中将】…光源氏の義兄・ライバル

■【おはし】…サ変動詞「おはす」連用形

※【おはす】…「来」の尊敬語(作者⇒頭中将)

■【て】…単純接続の接続助詞

■【こよなき】…ク活用形容詞「こよなし」連体形

※【こよなし】…この上ない

■【御―】…尊敬の接頭語(頭中将⇒光源氏)

■【朝寝】…朝遅くまで寝ていること

■【かな】…詠嘆の終助詞

■【ゆゑ】…理由

■【あら】…ラ変動詞「あり」未然形

■【む】…推量の助動詞「む」終止形

■【かし】…念押しの終助詞

■【と】…引用の格助詞

■【こそ】…強意の係助詞(結び;「らるれ」)

■【思ひ】…ハ行四段動詞「思ふ」の連用形

■【たまへ】…ハ行下二段動詞「たまふ」未然形

※【たまふ】…謙譲の補助動詞(頭中将⇒光源氏)

■【らるれ】…自発の助動詞「らる」已然形

■【と】…引用の格助詞

■【言へ】…ハ行四段動詞「言ふ」已然形

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

 

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◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

【本日の源氏物語】

 

光源氏が朝寝で思い乱れていたところ、

二条院に頭中将がやって来ました。

 

 

頭中将は、光源氏の正妻葵上の兄弟で、

ライバル的存在です。

 

亡き夕顔の元彼でもあり、

この末摘花にも、光源氏と競うようにしてラブレターを送り続けていましたよね。

 

滝汗滝汗滝汗

 

光源氏の「朝寝」を見て、「昨夜、何かあったな!」と察したようです。

 

さて、光源氏は、何と返すのでしょうか???

 

えーえーえー

 

 

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