源氏イラスト訳【若紫392】箝口 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫392】箝口

「しばし、人に知らせじ」と君ものたまひ、少納言も思ふことなれば、せちに口固めやりたり。

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おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

しばし知らのたまひ

訳)暫くの間他人知らまい源氏の君おっしゃり

 

 

少納言思ふことなれ

訳)少納言の乳母そう考えていることであるので

 

 

せちに口固めやりたり

訳)ひたすら口止めするよう申し送っていた

 

 

【古文】

しばし知らのたまひ少納言思ふことなれせちに口固めやりたり

 

【訳】

暫くの間他人知らまい源氏の君おっしゃり少納言の乳母そう考えていることであるのでひたすら口止めするよう申し送っていた

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【しばし】…しばらくの間

■【人】…ここでは、他人の意

■【に】…使役の対象の格助詞

■【知ら】…ラ行四段動詞「知る」未然形

■【せ】…使役の助動詞「す」未然形

■【じ】…打消意志の助動詞「じ」終止形

■【と】…引用の格助詞

■【君】…ここでは、源氏の君をさす

【も】…添加の係助詞

■【のたまひ】…ハ行四段動詞「のたまふ」連用形

※【のたまふ】…「言ふ」の尊敬語(作者⇒光源氏)

■【少納言】…少納言の乳母をさす

■【も】…添加の係助詞

■【思ふ】…ハ行四段動詞「思ふ」連体形

■【なれ】…断定の助動詞「なり」已然形

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

■【せちに】…ナリ活用形容動詞「せちなり」連用形

※【せちなり】…ひたすらだ。いちずだ

■【口固め(くちがため)】…口止め

■【やり】…ラ行四段動詞「やる」連用形

※【やる(遣る)】…送る。届ける

■【たり】…完了(存続)の助動詞「り」終止形

 

重要古語一覧はこちら

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☆本日の『源氏物語』☆

 

若紫が以前住んでいた邸では、

兵部卿宮がやってきて、若紫の行方を尋ねます。

 

 

父兵部卿宮が迎えに来ると言っていたのに、

いざ来てみると、娘がいない――。

 

そりゃ、びっくりしますよね!!

 

 

お付きの女房たちは、何をしていたのか!?

 

 

自分達のせいじゃない!って言いたいけれど、

光源氏や少納言乳母からも、箝口令(かんこうれい)が敷かれているようです。

 

ゲローゲローゲロー

 

助動詞「じ」は、打消推量・打消意志の助動詞です。

推量の助動詞「む」の対義語と理解してください。

 

 

見分け方も、「む」の識別法と同じです。

 

 

ここでは、会話文中に、主語がないので、

「私(光源氏自身)」が主語とみなし、

打消意志としました。

 

口笛


 

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