源氏イラスト訳【若紫373】輝砂 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫373】輝砂

庭の砂子も、玉を重ねたらむやうに見えて、かかやく心地するに、はしたなく思ひゐたれど、こなたには女などもさぶらはざりけり。

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YouTubeにもちょっとずつ「イラスト訳」の動画をあげています。

日々の古文速読トレーニングにお役立てください。

おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

砂子重ねたらやうに見え

訳)白砂宝石重ね敷いような感じに見え

 

 

かかやく心地するはしたなく思ひたれ

訳)光り輝くような感じするので、乳母はきまり悪く思ってけれど

 

 

こなたなどさぶらはざりけり

訳)こちらの対女房など仕えていないのであっ

 

 

【古文】

砂子重ねたらやうに見えかかやく心地するはしたなく思ひたれこなたなどさぶらはざりけり

 

【訳】

白砂宝石重ね敷いような感じに見え光り輝くような感じするので、乳母はきまり悪く思ってけれどこちらの対女房など仕えていないのであっ

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【の】…連体修飾格の格助詞

■【砂子(すなご・いさご)】…白砂。真砂。すな

■【も】…添加の係助詞

■【玉(たま)】…宝石。宝玉

■【を】…対象の格助詞

■【重(かさ)ね】…ナ行下二段動詞「重(かさ)ぬ」連用形

■【たら】…存続の助動詞「たり」の未然形

■【む】…婉曲の助動詞「む」連体形

■【やうに】…比況の助動詞「やうなり」連用形

■【見え】…ヤ行下二段動詞「やうなり」連用形

■【て】…単純接続の接続助詞

■【かかやく】…輝く

■【心地(ここち)】…感じ。心持ち

■【する】…サ変動詞「す」連体形

■【に】…順接の接続助詞

■【はしたなく】…ク活用形容詞「はしたなし」連用形

※【はしたなし】…きまり悪い

■【ゐ】…ワ行上一段動詞「ゐる」連用形

※【ゐる】…いる。座っている

■【たれ】…存続の助動詞「たり」已然形

■【ど】…逆接確定条件の接続助詞

■【こなた】…こちら。二条院の西の対の屋をさす

■【に】…場所の格助詞

■【は】…取り立ての係助詞

■【女】…女房をさす

■【など】…例示の副助詞

■【も】…類推の係助詞

■【さぶらは】…ハ行四段動詞「さぶらふ」未然形

※【さぶらふ】…「仕ふ」の謙譲語(作者⇒若紫)

■【ざり】…打消の助動詞「ず」連用形

■【けり】…過去の助動詞「けり」終止形

 

重要古語一覧はこちら

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☆本日の『源氏物語』☆

 

二条院の家のなかの様子だけでなく、

庭の砂なども輝くばかりの輝砂であって、

少納言乳母は、大変きまりの悪い思いがしています。

 

ただ、若紫についてきた少納言乳母を除いて、

光源氏の自邸からは、誰一人として、女房が側仕えしてくれないでいるのですね。

 

ゲローゲローゲロー

 

「女」というのは、読み方によって、

 

1.むすめ⇒娘

2.をんな・をうな・め⇒女性・妻や恋人

 

などと、さまざま意味をもつ多義語です。

 

ここでは、「をんな」と読んで、

一般的な「女性」という意味から、

「お付きの女房」という一般女性に、発想をとばしています。

 

このように、あまり重要でない多義語を文脈判断できるようにするのも、イラスト訳の速読トレーニングの醍醐味です!

 

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