源氏イラスト訳【若紫371】今は | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫371】今は

「少納言がもとに寝む」

とのたまふ声、いと若し。

「今は、さは、大殿籠もるまじきぞよ」

と教へきこえたまへば、いとわびしくて、泣き臥したまへり。

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日々の古文速読トレーニングにお役立てください。

おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

少納言もとのたまふ声、いと若し

訳)少納言ようおっしゃる声は、とても幼い感じである

 

 

今はさは大殿籠もるまじきよ」教へきこえたまへ

訳)今となってはもうそのようにはお寝みになってはいけないのよお教え申し上げなさる

 

 

いとわびしく泣き臥したまへ

訳)とてもつらく泣きながら横になりなさっ

 

 

【古文】

少納言もと

のたまふ声、いと若し

今はさは大殿籠もるまじきよ」

教へきこえたまへいとわびしく泣き臥したまへ

 

【訳】

少納言よう

おっしゃる声は、とても幼い感じである

今となってはもうそのようにはお寝みになってはいけないのよ

お教え申し上げなさるとてもつらく泣きながら横になりなさっ

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【少納言】…若紫の侍従である、少納言の乳母(めのと)

■【が】…連体修飾格の格助詞

■【もと】…元。所

■【に】…場所の格助詞

■【寝】…ナ行下二段動詞「寝(ぬ)」未然形

■【む】…意志の助動詞「む」終止形

■【と】…引用の格助詞

■【のたまふ】…「言ふ」の尊敬語(作者⇒若紫)

■【いと】…とても

■【若(わか)し】…幼い

■【今は】…今となっては、もう

■【さは】…そのようには

※【さ】…指示副詞

※【は】…取り立ての係助詞

■【大殿籠(おほとのごも)もる】…「寝」の尊敬語(少納言乳母⇒若紫)

■【まじき】…禁止の助動詞「まじ」連体形

■【ぞ】…強意の係助詞(文末用法)

■【よ】…念押しの間投助詞

 

重要古語一覧はこちら

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☆本日の『源氏物語』☆

 

「若君」は、まだ十歳ぐらい――。

急に、知らない場所に連れてこられたので、

いつものように、少納言の乳母に添い寝してもらいたいと思ったのでしょうね。

 

しかし、もはや、光源氏の妾のような扱いになった若紫です。

いつ、光源氏が夜這いに来るかわかりません。

 

したがって、

少納言乳母は、「今は、さは…」と言ったのでしょう。

 

ゲロー

 

「のたまふ」や「大殿籠もる」という尊敬語は、

丸暗記すべき重要古語です。

 

源氏物語イラスト訳で、イメージを湧かせながら、

敬意対象も含めて、押さえていきましょう!

 

 

チュー

 


 

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