源氏イラスト訳【若紫370】若君 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫370】若君

若君、いとむくつけく、いかにすることならむと、ふるはれたまへど、さすがに声立てても、え泣きたまはず。

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

YouTubeにもちょっとずつ「イラスト訳」の動画をあげています。

日々の古文速読トレーニングにお役立てください。

おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

若君いとむくつけく

訳)若紫の君は、とても気味悪くて、

 

 

いかにすることならふるはたまへ

訳)どうするであろう ぶるぶると震えずにはいらっしゃない けれど

 

 

さすがに声立ても、泣きたまは

訳)そうはいってもやはり声を出し、泣きなさることができ ない

 

 

【古文】

若君いとむくつけくいかにすることならふるはたまへさすがに声立ても、泣きたまは

 

【訳】

若紫の君は、とても気味悪くて、どうするであろう ぶるぶると震えずにはいらっしゃない けれどそうはいってもやはり声を出し、泣きなさることができ ない

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【若君(わかぎみ)】…若紫の君

■【いと】…とても

■【むくつけく】…ク活用形容詞「むくつけし」連用形

※【むくつけし】…気味が悪い

■【いかに】…どのように

■【する】…サ変動詞「す」連体形

■【なら】…断定の助動詞「なり」未然形

■【む】…推量の助動詞「む」連体形

■【と】…引用の格助詞

■【ふるは】…ハ行四段動詞「震ふ」未然形

■【れ】…自発の助動詞「る」連用形

■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」已然形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒若紫)

■【ど】…逆接の接続助詞

■【さすがに】…そうはいってもやはり

■【声立て】…タ行下二段動詞「声立つ」連用形

■【て】…単純接続の接続助詞

■【も】…強意の係助詞

■【え~ず】…~できない

※【え】…陳述の副詞(可能)

※【ず】…打消の助動詞「ず」終止形

■【泣き】…カ行四段動詞「泣く」連用形

■【たまは】…ハ行四段動詞「たまふ」未然形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒若紫)

 

重要古語一覧はこちら

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

☆本日の『源氏物語』☆

 

「若君」とは、若紫の姫君のことです。

 

急に、知らない場所に連れてこられたので、

驚いたことは言うまでもありません。

 

でも、びぃびぃと泣くのも、憚られているのですね。

 

チュー

 

「え~ず」というのは、

不可能(can not)の、呼応表現です。

 

 

こういう陳述表現も、たまに出てくるので、

その都度、おぼえ直していきましょうね♪

 

ウインク

 


 

>>次へ

 

>>初めから読む