源氏イラスト訳【若紫348】女房 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫348】女房

「…立ちかへり参り来なむ」とて、出でたまへば、さぶらふ人びとも知らざりけり。わが御方にて、御直衣などはたてまつる。惟光ばかりを、馬に乗せておはしぬ。

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おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

「…立ちかへり参り来とて出でたまへ

訳)「…きっと 戻って参りましょ 言っ出立なさるので

 

 

さぶらふ人びと知らざりけり

訳)お仕えする女房たち知らないのであっ

 

 

わが御方にて、御直衣などたてまつる

訳)自分のお部屋の方、お直衣などお召しになる

 

 

惟光ばかりを、馬乗せおはし

訳)惟光だけを、馬乗せいらっしゃっ

 

 

【古文】

「…立ちかへり参り来とて出でたまへさぶらふ人びと知らざりけりわが御方にて、御直衣などたてまつる惟光ばかりを、馬乗せおはし

 

【訳】

「…きっと 戻って参りましょ 言っ出立なさるのでお仕えする女房たち知らないのであっ自分のお部屋の方、お直衣などお召しになる惟光だけを、馬乗せいらっしゃっ

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【立ち返る】…引き返す

■【参り来(き)】…カ変動詞「参り来(く)」連用形

※【参る】…「来」の謙譲語(光源氏⇒葵上)

■【な】…強意の助動詞「ぬ」未然形

■【む】…意志の助動詞「む」終止形

■【とて】…~と言って

※【と】…引用の格助詞

※【て】…単純接続の接続助詞

■【出(い)で】…ダ行下二段動詞「出づ」連用形

■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」の已然形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

■【さぶらふ】…「仕ふ」の謙譲語(作者⇒葵上)

■【人びと】…(左大臣邸の)女房たち

■【も】…添加の係助詞

■【知ら】…ラ行四段動詞「知る」未然形

■【ざり】…打消の助動詞「ず」連用形

■【けり】…過去の助動詞「けり」終止形

■【わが】…自分の(光源氏の)

■【御方(おんかた)】…ご(自邸の)方面

■【にて】…場所の格助詞

■【御―】…尊敬の接頭語(作者⇒光源氏)

■【直衣(のうし)】…貴人の平服

■【など】…例示の副助詞

■【は】…取り立ての係助詞

■【たてまつる】…「着る」の尊敬語(作者⇒光源氏)

■【惟光(これみつ)】…光源氏の腹心の従者

■【ばかり】…限定の副助詞

■【を】…対象の格助詞

■【に】…対象の格助詞

■【乗せ】…サ行下二段動詞「乗す」連用形

■【て】…単純接続の接続助詞

■【おはし】…サ変動詞「おはす」連用形

※【おはす】…「行く」の尊敬語(作者⇒光源氏)

■【ぬ】…完了の助動詞「ぬ」終止形

 

重要古語一覧はこちら

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

☆本日の『源氏物語』☆

 

この「女房」というのは、

光源氏のお付きの女房ではなく、

 

左大臣邸で葵上に仕える女房のことです。

 

夜中に、遅く、葵上が、しぶしぶ光源氏の相手をしている時に、

急に光源氏が出立したので、

側に控えている女房たちも

分からなかった、というわけですね。

 

滝汗滝汗滝汗

 


 

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