源氏イラスト訳【若紫341】浮気 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫341】浮気

あづまをすががきて、「常陸には田をこそ作れ」といふ歌を、声はいとなまめきて、すさびゐたまへり。

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おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

あづますががき

訳)東琴掻き鳴ら

 

 

常陸こそ作れいふ

訳)茨城田んぼ作るいう

 

 

いとなまめきすさびたまへ

訳)とても優雅に口ずさんでいらっしゃっ

 

 

【古文】

あづますががき、「常陸こそ作れいふ、声いとなまめきすさびたまへ

 

【訳】

東琴掻き鳴ら、「茨城田んぼ作るいう、声とても優艶に口ずさんでいらっしゃっ

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【あづま】…東琴(和琴)のこと

■【を】…対象の格助詞

■【すががき】…カ行四段動詞「すががく」連用形

※【すががく】…琴を「清掻(すがが)き」で弾く

 (※「清掻き」の詳細は不明)

■【常陸(ひたり)】…現在の茨城県

■【に】…場所の格助詞

■【は】…取り立ての係助詞

■【田】…田んぼ

■【を】…対象の格助詞

■【こそ】…強意の係助詞

■【作れ】…ラ行四段動詞「作る」已然形(係り結びの法則)

■【と】…引用の格助詞

■【いふ】…ハ行四段動詞「いふ」連体形

■【を】…対象の格助詞

■【は】…取り立ての係助詞

■【いと】…とても

■【なまめき】…カ行四段動詞「なまめく」連用形

※【なまめく】…上品である。優雅である

■【て】…単純接続の接続助詞

■【ゐ】…ワ行上一段動詞「居る」連用形

■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」已然形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)

■【り】…完了の助動詞「り」終止形

 

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☆本日の『源氏物語』☆

 

光源氏は、葵の上がそっけないので、

和琴をかき鳴らして、風俗歌を口ずさみます。

 

「常陸にも、田をこそ作れ、あだ心、や、かねとや君が、山を越え、雨夜来ませる」(風俗歌「常陸」)

 

私は常陸で田をつくっているが、浮気していると貴女は疑って、山を超えて、こんな雨夜にやってきた、くらいの意味です。

 

 

ただ、「琴を弾いている」くらいの叙述でいいのに、

こんなふうに、歌詞の内容まで書かれているのは、

なんか、意図的な感じがしませんか?

 

 

 

葵の上は、夫の光源氏にそっけない態度をとっている、

くらいしか、描かれていませんが、

 

もしかすると、こういう歌からも分かるように、

光源氏の浮気を感じ取っての不機嫌さなのかもしれませんよね。

 

 

滝汗滝汗滝汗

 


 

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