源氏イラスト訳【若紫335】無意味 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫335】無意味

大夫も、「いかなることにかあらむ」と、心得がたう思ふ。

参りて、ありさまなど聞こえければ、あはれに思しやらるれど、さて通ひたまはむも、さすがにすずろなる心地して、

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おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

大夫、「いかなることあら心得がたう思ふ

訳)惟光大夫、「どのようなであるだろう納得しがたく思う

 

 

参りありさまなど聞こえけれ

訳)帰参し様子などご報告しところ

 

 

あはれに思しやらるれ

訳)しみじみと推察なさらずにいられないけれど

 

 

さて通ひたまはも、さすがにすずろなる心地て、

訳)そのまま通いなさるとしたら、それも、やはり落ち着かない心地て、

 

 

【古文】

大夫、「いかなることあら心得がたう思ふ

参りありさまなど聞こえけれあはれに思しやらるれさて通ひたまはも、さすがにすずろなる心地て、

 

【訳】

惟光大夫、「どのようなであるだろう納得しがたく思う

帰参し様子などご報告しところしみじみと推察なさらずにいられないけれどそのまま通いなさるとしたら、それも、やはり落ち着かない心地て、

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【大夫(たいふ)】…五位以上の官職の者。ここでは惟光をさす

■【も】…添加の係助詞

■【いかなる】…ナリ活用形容動詞「いかなり」連体形

※【いかない】…どのようだ

■【に】…断定の助動詞「なり」連用形

■【か】…疑問の係助詞

■【あら】…ラ変動詞「あり」未然形

■【む】…推量の助動詞「む」連体形

■【と】…引用の格助詞

■【心得(え)】…ア行下二段動詞「心得(う)」連用形

※【心得(こころう)】…納得する

■【―がたう】…ク活用形容詞「難し」連用形ウ音便

※【―がたし】…~しがたい。~できない

■【思ふ】…ハ行四段動詞「思ふ」終止形

■【参り】…ラ行四段動詞「参る」連用形

※【参る】…「来」の謙譲語(作者⇒光源氏)

■【て】…単純接続の接続助詞

■【ありさま】…様子

■【など】…例示の副助詞

■【聞こえ】…ヤ行下二段動詞「聞こゆ」連用形

※【聞こゆ】…「言ふ」の謙譲語(作者⇒光源氏)

■【けれ】…過去の助動詞「けり」已然形

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

■【あはれに】…ナリ活用形容動詞「あはれなり」連用形

※【あはれなり】…しみじみ感動する

■【思しやらるれど】…推察なさらずにいられないけれど

※【思(おぼ)す】…「思ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)

※【思ひやる】…推察する。思いを馳せる

※【るれ】…自発の助動詞「る」已然形

※【ど】…逆接の接続助詞

■【さて】…そのまま

■【通ひ】…ハ行四段動詞「通ふ」連用形

※【通(かよ)ふ】…妻問婚として通っていく

■【たまは】…ハ行四段動詞「たまふ」未然形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)

■【む】…仮定の助動詞「む」連体形

■【さすがに】…そうはいってもやはり

■【すずろなる】…ナリ活用形容動詞「すずろなり」連体形

※【すずろなり】…むやみやたらだ。落ち着かない

■【心地】…気持ち

■【し】…サ変動詞「す」連用形

■【て】…単純接続の接続助詞

 

重要古語一覧はこちら

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☆本日の『源氏物語』☆

 

「すずろなり」という重要古語があります。

 

光源氏は、若紫のもとへ、

愛情が湧いたからと通っていくのも、

たいした根拠もなく、無意味だという感覚です。

 

「通ふ」というのは、

妻の元に男が通っていく「通い婚」のことで、

当時は一般的な結婚形態でした。

 

光源氏は、若紫を、そのような正式な結婚相手とは、考えていなかったようですね。

 

チュー

 


 

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