源氏イラスト訳【若紫334】関係 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫334】関係

「…ただなるよりは、かかる御好き事も、思ひ出でられはべりつる」

など言ひて、「この人もことあり顔にや思はむ」など、あいなければ、いたう嘆かしげにも言ひなさず。

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おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

「…ただなるよりかかる好き事も、

訳)「…何事もなかったよりこのような好色めいた振る舞いも、

 

 

思ひ出でられはべりつるなど言ひ

訳)思い出さずにいられなかっのですなどと言っ

 

 

この人ことあり顔思はなどあいなけれ

訳)この人何か特別の関係があったもの思うだろうなどと考えるのも、おもしろくないので

 

 

いたう嘆かしげに言ひなさ

訳)ひどく悲しんでいるように言い繕わない

 

 

【古文】

「…ただなるよりかかる好き事も、思ひ出でられはべりつる

など言ひ、「この人ことあり顔思はなどあいなけれいたう嘆かしげに言ひなさ

 

【訳】

「…何事もなかったよりこのような好色めいた振る舞いも、思い出さずにいられなかっのですなどと言っ、「この人何か特別の関係があったもの思うだろうなどと考えるのも、おもしろくないのでひどく悲しんでいるように言い繕わない

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【ただなる】…ナリ活用形容動詞「ただなり」連体形

※【ただなり】…何事もない。普通である

■【より】…比較の格助詞

■【は】…取り立ての係助詞

■【かかる】…このような

■【御―】…尊敬の接頭語(少納言乳母⇒光源氏)

■【好き事】…好色めいた振る舞い

■【も】…取り立ての係助詞

■【思ひ出で】…ダ行下二段動詞「思ひ出づ」連用形

■【られ】…自発の助動詞「らる」連用形

■【はべり】…ラ変動詞「はべり」連用形

※【はべり】…丁寧の補助動詞(少納言乳母⇒光源氏)

■【つる】…完了の助動詞「つ」連体形

■【など】…引用の格助詞

■【言ひ】…ハ行四段動詞「言ふ」連用形

■【て】…単純接続の接続助詞

■【この人】…惟光をさす

■【も】…添加の係助詞

■【ことあり顔】…特別なことがあったような風

■【に】…資格の格助詞

■【や】…疑問の係助詞

■【思は】…ハ行四段動詞「思ふ」未然形

■【む】…推量の助動詞「む」連体形

■【など】…引用の副助詞

■【あいなけれ】…ク活用形容詞「あいなし」已然形

※【あいなし】…つまらない。おもしろくない

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

■【いたう】…ク活用形容詞「いたし」連用形ウ音便

※【いたし】…ひどい

■【嘆かしげに】…ナリ活用形容動詞「嘆かしげなり」連用形

※【嘆かしげなり】…嘆き悲しむようだ

■【も】…強意の係助詞

■【言ひなす】…言いつくろう

■【ず】…打消の助動詞「ず」終止形

 

重要古語一覧はこちら

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

☆本日の『源氏物語』☆

 

光源氏と若紫は、

ちょっと特殊な関係性のようです。

 

 

 

一夜を共に過ごした、といっても、

男女の関係ではなかっただろうし、

 

光源氏が「三日夜」の礼儀をしないとしても、

男女関係でないなら、光源氏にしてみれば

そんな対象にならないのかもしれません。

 

 

…そのことを、いちいちこの惟光に詮索されるのも、

少納言乳母にとっては、

不本意なことだったのでしょうね。

 

チュー

 


 

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