源氏イラスト訳【若紫320】猶与
「…すこしものの心思し知りなむに、わたらせたまはむこそ、よくははべるべけれ」と聞こゆ。
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【源氏物語イラスト訳】
「…すこしものの心思し知りなむに、
訳）「…もう少し物の道理がお分かりになったとしたら、
わたらせたまはむこそ、
訳）その時にお移りあそばすようなのが、
よくははべるべけれ」と聞こゆ。
訳）良う ございましょう」と申し上げる。
【古文】
「…すこしものの心思し知りなむに、わたらせたまはむこそ、よくははべるべけれ」と聞こゆ。
【訳】
「…もう少し物の道理がお分かりになったとしたら、その時にお移りあそばすようなのが、良う ございましょう」と申し上げる。
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■【すこし】…副詞
■【ものの心】…物の道理
■【思し知り】…ラ行四段動詞「思し知る」連用形
※【思（おぼ）し知る】…「思ひ知る」の尊敬語（少納言乳母⇒若紫）
※【思ひ知る】…十分理解する
■【な】…強意の助動詞「ぬ」未然形
■【む】…仮定の助動詞「む」連体形
■【に】…時の格助詞
■【渡ら】…ラ行四段動詞「渡る」未然形
※【渡る】…移る
■【せ】…尊敬の助動詞「す」連用形
■【たまは】…ハ行四段動詞「たまふ」未然形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞（少納言乳母⇒若紫）
■【む】…婉曲の助動詞「む」連体形
■【こそ】…強意の係助詞
■【よく】…ク活用形容詞「良し」連用形
■【は】…取り立ての係助詞
■【はべる】…ラ変動詞「はべり」連体形
※【はべり】…丁寧の補助動詞（少納言乳母⇒兵部郷宮）
■【べけれ】…推量（適当）の助動詞「べし」已然形
■【と】…引用の格助詞
■【聞こゆ】…「言ふ」の謙譲語（作者⇒兵部郷宮）
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少納言の乳母（めのと）が
若紫の宿移りに対して、
もう少し猶与を、と願い出る場面です。
けっこう彼女、発言力がありますねっ！
僧都が、この場にいないからか、
もはや、若紫の庇護者は彼女って感じですね～！
