源氏イラスト訳【若紫313】後朝の文 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫313】後朝の文

書くべき言葉も例ならねば、筆うち置きつつ、すさびゐたまへり。をかしき絵などをやりたまふ。

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おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

書くべき言葉例ならね

訳)書くはずの言葉普通と違うので

 

 

うち置きつつすさびたまへ

訳)筆を書いては置き書いては置きと、気の向くままにていらっしゃっ

 

 

をかしきなどやりたまふ

訳)美しいなどをお送りなさる

 

 

 

【古文】

書くべき言葉例ならね、筆うち置きつつすさびたまへをかしきなどやりたまふ

 

【訳】

書くはずの言葉普通と違うので、筆を書いては置き書いては置きと、気の向くままにていらっしゃっ美しいなどをお送りなさる

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【べき】…当然の助動詞「べし」連体形

■【も】…強意の係助詞

■【例ならず】…普通と違う

※【ね】…打消の助動詞「ず」已然形

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

■【うち―】…接頭語

■【つつ】…~ては反復の接続助詞

■【すさび】…バ行上二段動詞「すさぶ」連用形

※【すさぶ】…気の向くままにする

■【ゐ】…ワ行上一段動詞「ゐる」連用形

※【ゐる】…じっとしている。座る

■【たり】…完了(存続)の助動詞「たり」終止形

■【をかしき】…シク活用形容詞「をかし」連体形

※【をかし】…美しい。趣深い

■【など】…例示の副助詞

■【を】…対象の格助詞

■【やり】…ラ行四段動詞「やる」連用形

※【やる】…送る

■【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)

 

重要古語一覧はこちら

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

☆本日の『源氏物語』☆

 

「例ならね(ず)」とあります。

 

もちろん、夜明け前に訪れた、六条御息所に対しても

「普通でない」状態ではありましたが……

笑い泣き笑い泣き笑い泣き

 

 

 

ここで、光源氏の心を占めているのは、

 

「普通の男女でない後朝の別れ」であった、

あの、幼い、若紫への「後朝(きぬぎぬ)の文(ふみ)」です。

 

 

…本来、男女の後朝の文というものは、

 

男方は、愛の言葉を駆使し、別れのつらさを嘆いた和歌を贈り、

 

女方は、男の薄情さを憂えた返歌を返します。

 

しかし、この光源氏と若紫とは、

そんな男女のやりとりもできないほど、

相手が幼すぎるんですよね~;;

 

ほんわかほんわかほんわか

 


 

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