源氏イラスト訳【若紫306】情景×心情 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫306】情景×心情

いみじう霧りわたれる空もただならぬに、霜はいと白うおきて、まことの懸想もをかしかりぬべきに、さうざうしう思ひおはす。

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

YouTubeでも「イラスト訳」の動画を作成しています。

見るだけで楽に、古文の速読力が身についてきます。

おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

いみじう霧りわたれただならぬ

訳)ひどく霧の立ちこめた空もいつもと違っている上に

 

 

いと白うおき

訳)とても白く降り

 

 

まこと懸想をかしかりべき

訳)本当恋人同士であればきっと趣深い はずなのに

 

 

さうざうしう思ひおはす

訳)もの寂しく思っていらっしゃる

 

 

【古文】

いみじう霧りわたれただならぬ、霜いと白うおきまこと懸想をかしかりべきさうざうしう思ひおはす

 

【訳】

ひどく霧の立ちこめた空もいつもと違っている上に、霜とても白く降り本当恋人同士であればきっと趣深い はずなのにもの寂しく思っていらっしゃる

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【いみじう】…シク活用形容詞「いみじ」連用形ウ音便

※【いみじ】…ひどい。はなはだしい

■【霧わたる】…霧が立ちこめる

※【わたれ】…ラ行四段動詞「わたる」已然形

※【―わたる】…一面に~する

■【る】…完了(存続)の助動詞「り」連体形

■【も】…強意の係助詞

■【ただならず】…いつもと違っている

※【ぬ】…打消の助動詞「ず」連体形

■【に】…添加の格助詞

■【は】…取り立ての係助詞

■【いと】…とても

■【白う】…ク活用形容詞「白し」連用形ウ音便

■【おき】…カ行四段動詞「置く」連用形

※【霜(しも)を置く】…霜が降りる

■【て】…単純接続の接続助詞

■【まこと】…本当。真実

■【の】…連体修飾格の格助詞

■【懸想(けそう)】…恋い慕うこと

■【も】…強意の係助詞

■【をかしかり】…シク活用形容詞「をかし」連用形

※【をかし】…趣深い

■【ぬ】…強意の助動詞「ぬ」終止形

■【べき】…当然の助動詞「べし」連体形

■【に】…逆接の接続助詞

■【さうざうしう】…シク活用形容詞「さうざうし」連用形ウ音便

※【さうざうし】…ものさびしい

■【思ひ】…ハ行四段動詞「思ふ」連用形

■【―おはす】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)

 

重要古語一覧はこちら

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

☆本日の『源氏物語』☆

 

光源氏の目から見た自然描写。。。

 

「いみじう霧りわたれる」とか、

「霜いと白うおきて」などは、

 

この当時の後朝(きぬぎぬ)の別れにおいては、

そても美しい情景のはず。

チューチューチュー

 

…しかし、光源氏の目には、

その光景が「さうざうし」と映っていたのです。

ショボーンショボーンショボーン

 


 

>>次へ

 

>>初めから読む