源氏イラスト訳【若紫299】添い寝
幼き心地にも、いといたう怖ぢず、さすがに、むつかしう寝も入らずおぼえて、身じろき臥したまへり。
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【源氏物語イラスト訳】
幼き心地にも、いといたう怖ぢず、
訳)子供心にも、それほどひどくは物怖じせず、
さすがに、むつかしう寝も入らずおぼえて、
訳)そうは言ってもやはり、気味悪くて眠れもしないと思われて、
身じろき臥したまへり。
訳)もじもじして横になっていらっしゃった。
【古文】
幼き心地にも、いといたう怖ぢず、さすがに、むつかしう寝も入らずおぼえて、身じろき臥したまへり。
【訳】
子供心にも、それほどひどくは物怖じせず、そうは言ってもやはり、気味悪くて眠れもしないと思われて、もじもじして横になっていらっしゃった。
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■【幼き心地】…子供心
※【幼き】…ク活用形容詞「幼し」連体形
※【心地(ここり)】…心。気持ち
■【に】…対象の格助詞
■【も】…強意の係助詞
■【いと~ず】…それほど~ない
■【いたう】…ク活用形容詞「いたし」連用形ウ音便
※【いたし】…ひどい
■【怖ぢ】…ダ行上二段動詞「怖づ」未然形
※【怖(お)づ】…こわがる
■【ず】…打消の助動詞「ず」連用形
■【さすがに】…そうは言ってもやはり
■【むつかしう】…シク活用形容詞「むつかし」連用形ウ音便
※【むつかし】…気味が悪い。煩わしい
■【寝も入らず】…眠れもしない
※【も】…強意の係助詞
※【ず】…打消の助動詞「ず」連用形
■【おぼえ】…ヤ行下二段動詞「おぼゆ」連用形
※【おぼゆ】…思われる
■【て】…単純接続の接続助詞
■【身じろく】…もじもじと体を動かす
■【臥し】…サ行四段動詞「臥す」連用形
※【臥(ふ)す】…横になる
■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」已然形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒若紫)
■【り】…完了の助動詞「り」終止形
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ここで、「臥し(臥す)」という古語があるのに着目。
光源氏が「いざたまへ(さあいらっしゃい)」と言った場所は、
絵や雛遊びをする居間などではなく、
ふとんの中ってことですよね~;;
若紫を安心させておいて、
寝所へ誘ったってことですな~;