源氏イラスト訳【若紫300】安堵 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫300】安堵

夜一夜、風吹き荒るるに、

「げに、かう、おはせざらましかば、いかに心細からまし」
「同じくは、よろしきほどにおはしまさましかば」

とささめきあへり。

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おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

夜一夜、風吹き荒るる

訳)一晩中、風が吹き荒れているので

 

 

げにかうおはせざらましかいかに心細からまし

訳)ほんとうに、このようにいらしゃらなかったとしたどんなに心細かっただろうに

 

 

同じくよろしきほどおはしまさましか

訳)同じことならば、源氏の君にふさわしい年齢いらっしゃっならねぇ」

 

 

ささめきあへ

訳)ささやき合っている

 

 

【古文】

夜一夜、風吹き荒るる

げにかうおはせざらましかいかに心細からまし
同じくよろしきほどおはしまさましか

ささめきあへ

 

【訳】

一晩中、風が吹き荒れているので

ほんとうに、このようにいらしゃらなかったとしたどんなに心細かっただろうに
同じことならば、源氏の君にふさわしい年齢いらっしゃっならねぇ」

ささやき合っている

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【夜一夜(よひとよ)】…夜通し。ひと晩じゅう

■【吹き荒(あ)るる】…ラ行下二段動詞「吹き荒る」連体形

■【に】…順接の接続助詞

■【げに】…ほんとうに

■【かう】…このように「かく」のウ音便

■【おはせ】…サ変動詞「おはす」未然形

※【おはす】…「来」の尊敬語(女房⇒光源氏)

■【ざら】…打消の助動詞「ず」未然形

■【ましか】…反実仮想の助動詞「まし」未然形

■【ば】…順接仮定条件の接続助詞

■【いかに】…どんなに

■【心細から】…ク活用形容詞「心細し」未然形

■【まし】…反実仮想の助動詞「まし」連体形

■【同じくは】…同じことならば

※【同じく】…シク活用形容詞「同じ」連用形

※【連用形+は】…順接仮定条件の係助詞「は」

■【よろしき】…シク活用形容詞「よろし」連体形

※【よろし】…悪くない。ふさわしい

■【ほど】…年齢

■【に】…断定の助動詞「なり」連用形

■【おはしまさ】…サ行四段動詞「おはします」未然形

※【おはします】…「あり」の尊敬語(女房⇒若紫)

■【ましか】…反実仮想の助動詞「まし」未然形(結びの省略)

■【ば】…順接仮定条件の接続助詞

■【と】…引用の格助詞

■【ささめき】…カ行四段動詞「ささめく」連用形

※【ささめく】…ささやく

■【あへ】…ハ行四段動詞「合ふ」已然形

■【り】…完了の助動詞「り」終止形

 

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☆本日の『源氏物語』☆

 

光源氏の横で、もじもじしながらも何とか横になる若紫。

ハイハイ

 

お付きの女房たちにとってみれば、

こんな寂しい場所に、女ばかりでいることが

堪えられなく心細かったに違いありません。

 

そこで、この発言――

口笛

 

光源氏と若紫が、

本当なら、いわゆる「男女の関係」になってもらうほうが

女房たちにとってみれば、頼もしさを感じるのです。

 

こういうあたりから、平安時代の慣習も

よく伝わってきますよね。

びっくりびっくりびっくり

 


 

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