源氏イラスト訳【若紫292】霰 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫292】霰

霰降り荒れて、すごき夜のさまなり。

「いかで、かう人少なに心細うて、過ぐしたまふらむ」

と、うち泣いたまひて、いと見棄てがたきほどなれば、

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おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

降り荒れすごきさまなり

訳)霰(あられ)降って荒れてぞっとするほどの夜様子である

 

 

いかでかう人少なに心細う過ぐしたまふらむ

訳)どうしてこのように人けなく心細いまま過ごしなさっているのだろうか、いやそんなままでいられるものではない

 

 

うち泣いたまひいと見棄てがたきほどなれ

訳)ふっと涙をこぼしなさっとても見捨てては帰りにくい有様であるので

 

【古文】

降り荒れすごきさまなり

いかでかう人少なに心細う過ぐしたまふらむ

うち泣いたまひいと見棄てがたきほどなれ

 

【訳】

霰(あられ)降って荒れてぞっとするほどの夜様子である

どうしてこのように人けなく心細いまま過ごしなさっているのだろうか、いやそんなままでいられるものではない

ふっと涙をこぼしなさっとても見捨てては帰りにくい有様であるので

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【霰(あられ)】…ひょう。氷の塊が降ってくるもの

■【降り荒(あ)る】…降って荒れている

■【て】…単純接続の接続助詞

■【すごき】…ク活用形容詞「すごし」連体形

※【すごし】…ぞっとするほど寂しい。気味が悪い

■【の】…連体修飾格の格助詞

■【さま】…ようす

■【なり】…断定の助動詞「なり」終止形

■【いかで】…どうして~か、いや~ない反語

■【かう】…このように

■【人少なに】…ナリ活用形容動詞「人少ななり」連用形

※【人少ななり】…人けがない。少人数である

■【心細う】…ク活用形容詞「心細し」連用形ウ音便

■【て】…単純接続の接続助詞

■【過ぐし】…サ行四段動詞「過ぐす」連用形

※【過(す)ぐす】…過ごす

■【たまふ】…尊敬の補助動詞(光源氏⇒若紫)

■【らむ】…現在の原因推量の助動詞「らむ」連体形

■【と】…引用の格助詞

■【うち泣く】…ふっと涙をこぼす。声をあげて泣く

■【たまひ】…ハ行四段動詞「たまふ」連用形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)

■【て】…単純接続の接続助詞

■【いと】…とても

■【見棄て】…タ行下二段動詞「見棄つ」連用形

※【見棄(す)つ】…見捨てる。見捨てて帰る

■【―がたし】…~できない。~しにくい

■【ほど】…有様

■【なれ】…断定の助動詞「なり」已然形

■【ば】…順接確定条件(原因・理由)の接続助詞

 

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☆本日の『源氏物語』☆

 

「霰(あられ)」というのは、

現在でいう「ひょう」の場合もさすようです。

 

ただでさえ、もの寂しい場所に「霰」までも降っていて、

女人たちの恐ろしさといったら、ないでしょうね。

驚き驚き驚き

 

光源氏は、それを思いやって

帰るに帰れないでいるのです。

えーん


 

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