源氏イラスト訳【若紫290】効果 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫290】効果

「…聞こえさせ知らせたまふとも、さらに何のしるしもはべらじものを」とて、苦しげに思ひたれば、

「さりとも、かかる御ほどを、いかがはあらむ。なほ、ただ世に知らぬ心ざしのほどを、見果てたまへ」とのたまふ。

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おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

「…聞こえさせ知らたまふとも

訳)「…申し上げ分からなさろとしても

 

 

さらにしるしはべらものを

訳)効果ございますまいのに

 

 

とて苦しげに思ひたれ

訳)言っつらそうに困っているので

 

【古文】

「…聞こえさせ知らたまふともさらにしるしはべらものをとて苦しげに思ひたれ

「さりとも、かかる御ほどを、いかがはあらむ。なほ、ただ世に知らぬ心ざしのほどを、見果てたまへ」とのたまふ。

 

【訳】

「…申し上げ分からなさろとしても、何効果ございますまいのに言っつらそうに困っているので

 〔源氏〕「いくらなんでも、このようなお年の方を、どうしましようか。やはり、ただ世間に類ないほどのわたしの愛情を、お見届けください」とおっしゃる。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【聞こえさせ】…サ行下二段動詞「聞こえさす」連用形

■【知ら】…ラ行四段動詞「知る」未然形

■【せ】…使役の助動詞「す」連用形

■【たまふ】…尊敬の補助動詞(乳母⇒光源氏)

■【とも】…逆接仮定条件の接続助詞

■【さらに~じ】…まったく~まい。決して~ないだろう

※【さらに】…陳述の副詞〈全否定〉

※【じ】…打消推量の助動詞「じ」連体形

■【の】…連体修飾格の格助詞

■【しるし(徴・験)】…効果

■【も】…強意の係助詞

■【はべら】…ラ変動詞「はべり」未然形

※【はべり】…「あり」の丁寧(乳母⇒光源氏)

■【ものを】…逆接詠嘆用法の終助詞

■【とて】…~と言って

※【と】…引用の格助詞

※【て】…単純接続の接続助詞

■【苦しげに】…ナリ活用形容動詞「苦しげなり」の連用形

■【思ひ】…ハ行四段動詞「思ふ」連用形

■【たれ】…完了(存続)の助動詞「たり」已然形

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

 

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☆本日の『源氏物語』☆

 

「しるし」というのは、

ここでは「徴」「験」などの漢字をあて、

「効果」「甲斐」という意味で捉えましょう。

 

若紫が、「眠たいのに触られる」と思って

逃げてきたのに対し、

 

光源氏が御簾から中へ入って追いかけてきても

何の効果もないですよ

ってことです。

 

まあ、おっしゃる通り、ですよね。。。

 

笑い泣き笑い泣き笑い泣き


 

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