源氏イラスト訳【若紫286】艶髪
なよよかなる御衣に、髪はつやつやとかかりて、末のふさやかに、探りつけられたる、いとうつくしう思ひやらる。
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【源氏物語イラスト訳】
なよよかなる御衣に、髪はつやつやとかかりて、
訳)柔らかなお召物の上に、髪がつやつやと掛かって、
末のふさやかに、探りつけられたる、
訳)先の方までがふさふさとして、探りあてることができたのが、
いとうつくしう思ひやらる。
訳)とてもかわいらしいと想像せずにはいられない。
【古文】
なよよかなる御衣に、髪はつやつやとかかりて、末のふさやかに、探りつけられたる、いとうつくしう思ひやらる。
【訳】
柔らかなお召物の上に、髪がつやつやと掛かって、先の方までがふさふさとして、探りあてることができたのが、とてもかわいらしいと想像せずにはいられない。
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■【なよよかなる】…ナリ活用形容動詞「なよよかなり」連体形
※【なよよかなり】…柔らかだ
■【御衣(おんぞ)】…お召し物
■【に】…場所の格助詞
■【は】…取り立ての係助詞
■【つやつやと】…副詞
■【かかり】…ラ行四段動詞「かかる」連用形
■【て】…単純接続の接続助詞
■【末(すゑ)】…髪の毛先のほう
■【の】…主格の格助詞
■【ふさやかに】…ナリ活用形容動詞「ふさやかなり」連用形
■【探(さぐ)り】…ラ行四段動詞「探る」連用形
■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」已然形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
■【れ】…完了の助動詞「り」已然形
■【ば】…順接確定条件の接続助詞
■【探りつけ】…カ行下二段動詞「探りつく」未然形
※【探りつく】…さぐりあてる
■【られ】…可能の助動詞「らる」連用形
■【たる】…完了の助動詞「たり」連体形(準体法)
■【いと】…とても
■【うつくしう】…シク活用形容詞「うつくし」連用形
※【うつくし】…かわいらしい
■【思ひやら】…ラ行四段動詞「思ひやる」未然形
※【思ひやる】…想像する
■【る】…自発の助動詞「る」終止形
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「思ひやらる」(自然と想像される)とありますので、
やはり、実際に間近にいる若紫を
光源氏が手でまざぐっているのでしょう。
ちょっと、現代の感覚では容易に想像できない状況なので、
古典の世界ではよくあることかもしれませんが
イメージをつけるとなると
なかなか難しいものがありますね……。