源氏イラスト訳【若紫287】不快 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫287】不快

手をとらへたまへれば、うたて例ならぬ人の、かく近づきたまへるは、恐ろしうて、

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おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

とらへたまへ

訳)捉えなさっので

 

 

うたて例ならぬ

訳)予想外にも いつもと違った

 

 

かく近づきたまへ恐ろしう

訳)このように近くで親しくなさっているのは恐ろしく

 

 

【古文】

とらへたまへうたて例ならぬかく近づきたまへ恐ろしう

 

【訳】

捉えなさっので予想外にも いつもと違ったこのように近くで親しくなさっているのは恐ろしく

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【手】…若紫の手

■【を】…対象の格助詞

■【とらへ】…ハ行下二段動詞「とらふ」連用形

■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」已然形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)

■【れ】…完了の助動詞「り」已然形

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

■【うたて】…異様に。思いとは違う方向に事態が進んでいくときの気持ち

■【例ならず】…いつもと違っている

※【ぬ】…打消の助動詞「ず」連体形

■【の】…主格の格助詞

■【かく】…このように

■【近づく】…近くなる。親しくなる

■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」已然形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)

■【る】…完了の助動詞「り」連体形

■【は】…取り立ての係助詞

■【恐ろしう】…シク活用形容詞「恐ろし」連用形ウ音便

■【て】…単純接続の接続助詞

■【】…可能の助動詞「らる」連用形

■【たる】…完了の助動詞「たり」連体形(準体法)

■【いと】…とても

■【うつくしう】…シク活用形容詞「うつくし」連用形

※【うつくし】…かわいらしい

■【思ひやら】…ラ行四段動詞「思ひやる」未然形

※【思ひやる】…想像する

■【る】…自発の助動詞「る」終止形

 

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☆本日の『源氏物語』☆

 

「うたて」というのは、

思いとは違う方向に事態が進行してゆくときの気持ちです。

 

基本的には、「いやだ」「気味が悪い」などと訳すのですが、

ここは、若紫が、光源氏に抱く気持ちなので、

「予想外に」としました。

 

もちろん、若紫は、

寝ようと思って光源氏の膝に乗ったわけですから、

 

「せっかく寝ようと思ってるのに。障らないで!」

という不快な気持ちもあったとは思います。

 

ですが、無心にも大人しく膝に乗ったわけですから

必ずしも、光源氏を嫌がっているわけではないはずですよね。

 

キョロキョロ


 

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