源氏イラスト訳【若紫260】少納言乳母 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫260】少納言乳母

少納言ぞ聞こえたる。

「問はせたまへるは、今日をも過ぐしがたげなるさまにて、山寺にまかりわたるほどにて。…」

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見るだけで楽に、古文の速読力が身についてきます。

おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

少納言聞こえたる

訳)少納言の乳母お返事申し上げ

 

 

問はせたまへ、今日をも過ぐしがたげなるさま

訳)お見舞いくださっ方(=尼君)、今日一日も過ごせそうもないような容体であっ

 

 

山寺まかりわたるほど

訳)北山の寺に 移って参ります ところ

 

 

【古文】

少納言聞こえたる

問はせたまへ、今日をも過ぐしがたげなるさま山寺まかりわたるほど。…」

 

【訳】

少納言の乳母お返事申し上げ

お見舞いくださっ方(=尼君)、今日一日も過ごせそうもないような容体であっ北山の寺に 移って参ります ところ。…

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【少納言】…少納言の乳母(めのと)。若紫付きの女房

■【ぞ】…強意の係助詞

■【聞こえ】…ヤ行下二段動詞「聞こゆ」連用形

※【聞こゆ】…「言ふ」の謙譲語(作者⇒光源氏)

■【たる】…完了の助動詞「たり」連体形

■【問は】…ハ行四段動詞「問ふ」未然形

※【問ふ】…訪問する。見舞う

■【せ】…尊敬の助動詞「す」連用形(最高敬語)

■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」已然形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(少納言乳母⇒光源氏)

■【る】…完了の助動詞「り」連体形(準体法)

■【は】…取り立ての係助詞

■【をも】…対象の格助詞+強意の係助詞

■【過ぐし】…ナリ活用形容動詞「をかしげなり」已然形

※【過(す)ぐす】…過ごす。暮らす

■【~難(がた)げなり】…~できそうもない

■【さま】…様子。状態

■【に】…断定の助動詞「なり」連用形

■【て】…単純接続の接続助詞

■【山寺】…北山の寺

■【に】…場所の格助詞

■【まかり】…~て参ります。おいとまして~する

※【まかる】…「行く」の謙譲語(少納言乳母⇒都)

■【わたる】…移る

■【ほど】…時。程度

■【に】…断定の助動詞「なり」連用形

■【て】…単純接続の接続助詞

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

☆本日の『源氏物語』☆

 

「少納言」というのは、

若紫付きの乳母であう「少納言の乳母(めのと)」の女房名。

 

「問はせたまへる」とは、尼君のことです。

 

尼君は病気が重篤なので、直接お見舞いの返事を申しあげることができず、

少納言の乳母を通じて、光源氏にお返事を申し上げたのですね。

 

会話文のなかでは、最高敬語が頻繁に出てくるので、

気をつけてくださいね!

 

チュー


 

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