源氏物語イラスト訳【若紫192】かばかり
「…かばかり聞こゆるにても、おしなべたらぬ志のほどを御覧じ知らば、いかにうれしう」
などあり。
ーーーーーーーーーーーーーーー
【源氏物語イラスト訳】
大学入試頻出の『源氏物語』も、
現代語訳とイラストとの組み合わせで読むことで、
ビジュアル的にイメージしながら速習できます。
「…かばかり聞こゆるにても、
訳)「…これほど申し上げることにつけても、
おしなべたらぬ志のほどを御覧じ知らば、
訳)並々ではない気持ちの程度を、ご覧になってお察しくださるならば、
いかにうれしう」などあり。
訳)どんなに嬉しいことでしょうか…」などと書いてある。
【古文】
「…かばかり聞こゆるにても、おしなべたらぬ志のほどを御覧じ知らば、いかにうれしう」
などあり。
【訳】
「…これほど申し上げることにつけても、並々ではない気持ちの程度を、ご覧になってお察しくださるならば、どんなに嬉しいことでしょうか…」
などと書いてある。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
■【かばかり】…これほど
■【聞こゆる】…ヤ行下二段動詞「聞こゆ」連体形
※【聞こゆ】…「言ふ」の謙譲(光源氏⇒尼君)
■【にて】…対象の格助詞
■【も】…強意の係助詞
■【おしなべ】…バ行下二段動詞「おしなぶ」連用形
※【おしなぶ】…並々である
■【たら】…完了(存続)の助動詞「たり」未然形
■【ぬ】…打消の助動詞「ず」連体形
■【志(こころざし)】…愛情。気持ち
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【ほど】…程度
■【を】…対象の格助詞
■【御覧じ】…サ変動詞「御覧ず」の連用形
※【御覧ず】…「見る」の尊敬語(光源氏⇒尼君)
※【見知る】…みてそれと分かる。察する
■【未然形+ば】…順接仮定条件の接続助詞
■【いかに】…どのように~か
■【嬉しく】…シク活用形容詞「嬉し」連用形
■【など】…引用の副助詞
■【あり】…ラ変動詞「あり」終止形
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
北山から帰ってすぐに、このような熱い想いの手紙を送ってくるなんて…。
尼君たちは、光源氏の真剣な想いを、少し信じる気になったでしょうね。