源氏物語イラスト訳【若紫191】またの日 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏物語イラスト訳【若紫191】またの日

またの日、御文たてまつれたまへり。僧都にほのめかしたまふべし。尼上には、

「もて離れたりし御気色のつつましさに、思ひたまふるさまをも、えあらはし果てはべらずなりにしをなむ。…」

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【源氏物語イラスト訳】

大学入試頻出の『源氏物語』も、

現代語訳とイラストとの組み合わせで読むことで、

ビジュアル的にイメージしながら速習できます。

 

またの日たてまつれたまへ

訳)翌日手紙差し上げなさっ

 

 

僧都ほのめかしたまふべし

訳)僧都それとなくお書きなさるだろう

 

 

尼上は、「もて離れたり気色つつましさ

訳)尼上は、「遠ざけられてしまっあなた様のご様子遠慮のために

 

 

思ひたまふるさまも、あらはし果てはべらなりなむ

訳)思っておりますことも、最後まで表出でき なくなってしままし ので

 

 

【古文】

またの日たてまつれたまへ僧都ほのめかしたまふべし尼上は、

もて離れたり気色つつましさ思ひたまふるさまも、あらはし果てはべらなりなむ。…」

 

【訳】

翌日手紙差し上げなさっ僧都それとなくお書きなさるだろう尼上は、

遠ざけられてしまっあなた様のご様子遠慮のために思っておりますことも、最後まで表出でき なくなってしままし ので。…」

 

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■【またの日】…翌日

■【御―】…尊敬の接頭語(作者⇒光源氏)

■【文(ふみ)】…手紙

■【たてまつれ】…ラ行下二段動詞「奉る」連用形

※【たてまつる(奉る)】…「与ふ」の謙譲(作者⇒尼君)

■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」已然形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)

■【り】…完了の助動詞「り」終止形

■【僧都(そうづ)】…尼君の兄の高僧。若紫の曾祖父

■【に】…対象の格助詞

■【ほのめかす】…ほのかに示す。それとなく言う

■【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)

■【べし】…推量の助動詞「べし」終止形

■【尼君】…若紫の祖母

■【に】…対象の格助詞

■【は】…区別の係助詞

■【もて離れ】…ラ行下二段動詞「もて離る」連用形

※【もて離(はな)る】…遠ざける。関係やつながりが絶える

■【たり】…完了の助動詞「たり」連用形

■【し】…過去の助動詞「き」連体形

■【御―】…尊敬の接頭語(光源氏⇒尼君)

■【気色(けしき)】…ようす

■【の】…連体修飾格の格助詞

■【つつましさ】…遠慮。気兼ね

■【に】…原因・理由の格助詞

■【思ひ】…ハ行四段動詞「思ふ」連用形

■【たまふる】…ハ行下二段動詞「たまふ」連体形

※【たまふ】…謙譲の補助動詞(光源氏⇒尼君)

■【さま】…様子。こと

■【を】…対象の格助詞

■【も】…強意の係助詞

■【え~ず】…~できない「え」は副詞

■【あらはす】…明らかにする。表出する

■【~果つ】…最後まで~する。~し終わる

■【はべら】…ラ変動詞「はべり」未然形

※【はべり】…丁寧の補助動詞(光源氏⇒尼君)

■【ず】…打消の助動詞「ず」連用形

■【なり】…ラ行四段動詞「なる」の連用形

■【に】…完了の助動詞「ぬ」連用形

■【し】…過去の助動詞「き」の連体形

■【を】…順接の接続助詞

■【なむ】…強意の係助詞

 

重要古語一覧はこちら

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☆本日の『源氏物語』☆


光源氏は、正妻の左大臣邸で、ずっと若紫のことを考えていたようですね。

左大臣邸に泊まった翌日、すぐに若紫の所望を書いて送ったようです。

チュー

 

 

 

 


 

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