源氏物語イラスト訳【若紫186】よしや
「…よしや、命だに」とて、夜の御座に入りたまひぬ。女君、ふとも入りたまはず。
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【源氏物語イラスト訳】
古文の『源氏物語』は、読解が非常に難解です。
イラスト訳では、現代語訳とイラストの組み合わせで
イメージをもって、速読学習できます。
「…よしや、命だに」とて、
訳)「…仕方ない、せめて『命』だけでも…」と言って、
夜の御座に入りたまひぬ。
訳)夜のご寝所に入りなさった。
女君、ふとも入りたまはず。
訳)葵の上は、すぐにも入りなさらない。
【古文】
「…よしや、命だに」とて、夜の御座に入りたまひぬ。女君、ふとも入りたまはず。
【訳】
「…仕方ない、せめて『命』だけでも…」と言って、夜のご寝所に入りなさった。葵の上は、すぐにも入りなさらない。
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■【よしや】…仕方ない。まあいい
■【命】…「長生き」or「子ども」?引き歌か
■【だに】…せめて~だけでも
■【とて】…~と言って
※【と】…引用の格助詞
※【て】…単純接続の接続助詞
■【夜の御座(おまし)】…ご寝所
■【に】…場所の格助詞
■【入り】…ラ行四段動詞「入る」連用形
■【たまひ】…ハ行四段動詞「たまふ」連用形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
■【ぬ】…完了の助動詞「ぬ」終止形
■【女君(をんなぎみ)】…葵の上のこと
■【ふと】…すばやく。すぐに
■【も】…強意の係助詞
■【入(い)り】…ラ行四段動詞「入る」連用形
■【たまは】…ハ行四段動詞「たまふ」未然形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒葵上)
■【ず】…打消の助動詞「ず」終止形
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「命だに」というのも、引き歌です。
ですが、その本歌がはっきりしなくて
解釈が分かれているところでもあります。
源氏物語では、このように解釈が判明しない部分もたくさんありますが、このイラスト訳では、分かりやすい訳出のみを心がけています。
興味のある人は、文献などでも調べてみてくださいね♪