源氏物語イラスト訳【若紫168】飽かず
飽かず口惜しと、言ふかひなき法師、童べも、涙を落としあへり。まして、内には、年老いたる尼君たちなど、まださらにかかる人の御ありさまを見ざりつれば、
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【源氏物語イラスト訳】
飽かず口惜しと、言ふかひなき法師、
訳)満ち足りなく残念だと、取るに足りない法師や、
童べも、涙を落としあへり。
訳)子供の召使いも、涙を落とし合っていた。
まして、内には、年老いたる尼君たちなど、
訳)それにもまして、室内では、年老いた尼君たちなどが、
まださらにかかる人の御ありさまを見ざりつれば、
訳)まだ一度もこのような美しい方のお姿を見たことがなかったので、
【古文】
飽かず口惜しと、言ふかひなき法師、童べも、涙を落としあへり。まして、内には、年老いたる尼君たちなど、まださらにかかる人の御ありさまを見ざりつれば、
【訳】
満ち足りなく残念だと、取るに足りない法師や、子供の召使いも、涙を落とし合っていた。それにもまして、室内では、年老いた尼君たちなどが、まだ一度もこのような美しい方のお姿を見たことがなかったので、
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■【飽かず】…もの足りない。名残惜しい
■【口惜し】…残念だ
■【と】…引用の格助詞
■【言ふかひなき】…ク活用形容詞「言ふかひなし」連体形
※【言ふかひなし】…取るに足らない
■【法師】…僧侶
■【童(わらは)べ】…子供の召使い
■【も】…同趣の係助詞
■【合へ】…ハ行四段動詞「合ふ」已然形
■【り】…完了(存続)の助動詞「り」終止形
■【まして】…それにもまして。なおさら
■【内(うち)】…室内
■【に】…場所の格助詞
■【は】…取り立ての係助詞
■【年老い】…ラ行上二段動詞「年老ゆ」連用形
■【たる】…完了(存続)の助動詞「たり」連体形
■【尼君(あまぎみ)】…高貴な女性で尼になった人
■【たち】…複数の接尾語
■【など】…例示の副助詞
■【さらに~ず】…まったく~ない。一度も~ない
■【かかる】…このような(光源氏のように美しい)
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【御―】…尊敬の接頭語(作者⇒光源氏)
■【ありさま】…姿。ようす
■【を】…対象の格助詞
■【見】…マ行上一段動詞「見る」未然形
■【ざり】…打消の助動詞「ず」連用形
■【つれ】…完了の助動詞「つ」已然形
■【ば】…順接確定条件(原因・理由)の接続助詞
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先日のセンター古文では
歴史物語と日記文学との読み比べが出ました!
とにかく、今後は速読トレーニングが重要!!
源氏物語で、古文のイメージを
確立していってくださいね♪