源氏物語イラスト訳【若紫167】乱り心地 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏物語イラスト訳【若紫167】乱り心地

「乱り心地、いと堪へがたきものを」と聞こえたまへど、け憎からずかき鳴らして、皆立ちたまひぬ。

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【源氏物語イラスト訳】

 

 

 

乱り心地いと堪へがたきものを聞こえたまへ

訳)気分がすぐれずとてもつらいのになぁ申し上げなさるけれど

 

 

け憎からずかき鳴らし

訳)無愛想にはならない程度に琴を掻き鳴らし

 

 

立ちたまひ

訳)一行は出立なさっ

 

 

【古文】

乱り心地いと堪へがたきものを聞こえたまへけ憎からずかき鳴らし、皆立ちたまひ

 

【訳】

気分がすぐれずとてもつらいのになぁ申し上げなさるけれど無愛想にはならない程度に琴を掻き鳴らし、一行は出立なさっ

 

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■【乱り心地(みだりごこち)】…病気によるすぐれない気分

■【いと】…とても

■【堪へがたき】…ク活用形容詞「堪へ難し」連体形

※【堪へ難し】…我慢できない。つらい

■【ものを】…~のになぁ逆接確定条件

■【と】…引用の格助詞

■【聞こえ】…ヤ行下二段動詞「聞こゆ」連用形

※【聞こゆ】…「言ふ」の謙譲語(作者⇒僧都)

■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」已然形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)

■【ど】…逆接確定条件の接続助詞

■【け憎からず】…無愛想にならない程度に

※【け憎し】…愛想がない。そっけない

※【ず】…打消の助動詞「ず」連用形

■【かき鳴らす】…琴などを弾き鳴らす

■【て】…単純接続の接続助詞

■【皆(みな)】…光源氏たち一行

■【立つ】…出立する。出発する

■【たまひ】…ハ行四段動詞「たまふ」連用形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)

■【ぬ】…完了の助動詞「ぬ」終止形

 

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☆本日の『源氏物語』☆

 

緑色で説明づけられているのは

敬語の敬意対象です。

 

「⇒」の左側が、誰からの敬意か、

「⇒」の右側が、誰に対する敬意か、です。

おねがい

 

地の文は、基本的に作者(紫式部)からの敬意、

会話文は、会話主からの敬意、です。

 

源氏物語で、古文のイメージを

確立していってくださいね♪

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