源氏物語イラスト訳【若紫158】御消息 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏物語イラスト訳【若紫158】御消息

御消息、僧都のもとなる小さき童して、

「夕まぐれほのかに花の色を見て
 今朝は霞の立ちぞわづらふ」

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【源氏物語イラスト訳】

 

 

消息僧都もとなる小さきして

訳)手紙は、僧都もとにいる小さい子どもの召使いを使って

 

 

夕まぐれほのかに花の色

訳)「(昨日の)夕暮れ時かすかに美しい花の色

 

 

 今朝立ちわづらふ

訳) 立つ今朝立ち去りがたい気がします

 

 

 

【古文】

消息僧都もとなる小さきして

夕まぐれほのかに花の色
 今朝立ちわづらふ

 

【訳】

手紙は、僧都もとにいる小さい子どもの召使いを使って

「(昨日の)夕暮れ時かすかに美しい花の色
 立つ今朝立ち去りがたい気がします

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【御―】…尊敬の接頭語(作者→光源氏)

■【消息(せうそこ)】…手紙

■【僧都(そうづ)】…高僧(若紫の曾祖父)

■【の】…連体修飾格の格助詞

■【もと】…ところ

■【なる】…所在(存在)の助動詞「なり」連体形

■【小さき】…ク活用形容詞「小さし」連体形

■【童(わらは)】…子供(ここでは女童)

■【して】…手段の格助詞

■【夕まぐれ】…夕暮れ時

■【ほのかに】…ナリ活用形容動詞「ほのかなり」連用形

※【ほのかなり】…かすかだ

■【花の色】…ここでは、若紫の見立て

■【を】…対象の格助詞

■【見】…マ行上一段動詞「見る」連用形

■【て】…単純接続の接続助詞

■【は】…区別の係助詞

■【霞(かすみ)】…朝焼けの霞と光源氏の心の靄を掛けている

■【の】…主格の格助詞

■【立ち】…霞が「立つ」と「出立する」を掛けている

■【ぞ】…強意の係助詞

■【わづらふ】…~しかねる

 

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