【若紫118-2】☆共通テスト☆文法問題 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【若紫118-2】☆共通テスト☆文法問題

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源氏物語イラスト解釈

 

【これまでのあらすじ】

 天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を賜り、左大臣の娘(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬、物の怪による夕顔の急死…。光源氏の恋は成就することなく、尽きせぬ恋慕を重ねていくのでした。

 ただ今、第五帖「若紫の巻」です。夕顔が亡くなった翌年、光源氏18歳の3月(春)に、瘧病にかかって、その加持祈祷のために、北山に訪れ、そこである僧都の屋敷を垣間見し、かわいい少女を見つけました。直後に僧都が光源氏を訪ねてきて、自分の僧坊に招きます。少女若紫のことを詳しく聞き出した光源氏は、その夜眠れないでいます。

 

【今回の源氏物語】

「あな、今めかし。この君や、世づいたるほどにおはするとぞ、思すらむ。さるにては、かの『若草』を、いかで聞いたまへることぞ」と、

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 ☆ 共通テスト対策~文法問題~☆

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「あな、今めかし。この君や、世づいたるほどにおはするとぞ、思すらむ。さるにては、かの『若草』を、いかで聞いたまへることぞ」と、

 

傍線部の文法説明として最も適当なものを、次の中から1つ選べ。

 

1.「や」は疑問の係助詞で、結びは「らむ」である。


2.「おはする」は「あり」の尊敬語で、光源氏に対する敬意である。


3.「に」は対象を表す格助詞である。

 

4.「ぞ」は強意の係助詞で、結びは「らむ」である。

 

5.「らむ」は過去推量の助動詞らむ」の連体形である。

 

笑い泣きゲロー笑い泣きゲロー

 

来年度以降の大学入試共通テストでは

新学習指導要領に基づいたかたちで

複合的な問題形式が出されてきます。

 

【実社会に対応したもの】

 ⇒生徒A/生徒Bなどの対話選択肢

【言語文化の知識問題】

 ⇒和歌や俳句などの韻文とのコラボ

【主体的・協働的な学び】

 ⇒複眼的問題文の読解

 

センター古文の文法問題は

ほぼ毎年、問2で出題されていましたが、

大学入試共通テストになると、どうなるかわかりませんよね;

ガーン

 

もしかすると、

センター漢字や英単語のように

なくなる可能性も、なきにしもあらず><;

 

 

 

しかしながら、

古文は、文法事項がわからないと

文章が読めません!

滝汗滝汗滝汗

 

 

文法問題は、出題の有無にかかわらず

古文読解の必須事項として

勉強しておくに限ります!!

!(๑˃̵ᴗ˂̵)و

 

 

 

今回のポイントはこれ☆

 

☆下接の文構造で識別せよ☆

 

 

現代文の読解でも

「主語―目的語―述語」などの文構造により

難解語句がわからなくてもある程度解釈できますよね。

 

 

それと同様に、

古文でも、文構造の把握により

長い叙述の読解が可能になったりもします。

 

 

今回は、その練習☆

 

 

この君や、世づいたるほどにおはするとぞ、思すらむ

   上矢印

一語一語は区切って確認できると思いますが

係助詞「や」2つ入っていますよね。

滝汗

 

 

 

まず、疑問・反語の係助詞「や」

どこにかかっていくのでしょうか?

 

 

 

 

この君や、世づいたるほどにおはするとぞ、思すらむ

 

ポイントは、引用の格助詞「と」。

 

この「―と。」の部分が一応の文末になるので

「この君という主語に対する述語は「おはする」です。

 

 

1.「や」疑問の係助詞(○)で、結びは「らむ」(×)である。

 

 

 

 

「―/おはする」というつながりにも着目☆

 

 

【おはす(御座す)】

【自動詞:サ行変格活用】

①(「あり」「をり」の尊敬)いらっしゃる。おいでになる。おありになる

②(「行く」「来」の尊敬)おいでになる。お越しになる

 

(※『全訳古語例解辞典』 より)

 

「おはす」「あり」の尊敬語なので

「に」は、明らかに断定の助動詞です。

 

2.「おはする」は「あり」の尊敬語(○)で、光源氏に対する敬意である。


3.「に」は対象を表す格助詞(×)である。

 

敬意対象はどうでしょうか?

 

 

「この君」とは、誰をさすのかに着目して考えましょう。

 

【世付く(よづく)】

【自動詞:カ行四段活用】

①世間一般の様子である。世間並みである

②世間の事に通じる。また、男女の情愛に通じる

③世俗の濁りに染まる。俗化する

 

(※『全訳古語例解辞典』 より)

 

光源氏からの和歌をもらって

 

この君や、世づいたるほどにおはする

 

「この光源氏が、世俗の濁りに染まっていらっしゃる」

というふうに捉えられないこともないですが…

 

後述の――

「―とぞ、思すらむ。」

   上矢印

が、光源氏の「」いだとすると、

 

「この君」は光源氏ではなく

 

 

光源氏の垣間見た

姫君(若紫)をさすのでしょう。

笑い泣き笑い泣き笑い泣き

 

 

2.「おはする」は「あり」の尊敬語(○)で、光源氏に対する敬意(×)である。

 

 

また、「らむ」は――

 

過去推量でなく、現在推量ですよねー!!

チューチューチュー

 

5.「らむ」は過去推量(×)の助動詞らむ」の連体形(○)である。

 

 

 

 

 

 

 

覚えることがいっぱいで

やってもやっても先が見えず

毎日つらいと思います。

 

 

でも、コツコツやっていくうちに

自然と身につくことも多くなってくるんです。

 

 

 

 

がんばってね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【答え】…

 

 

 

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