【若紫97-2】☆兵部卿宮とは☆
源氏物語イラスト解釈
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を賜り、左大臣の娘葵(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬、物の怪による夕顔の急死…。光源氏の恋は成就することなく、尽きせぬ恋慕を重ねていくのでした。
ただ今、第五帖「若紫の巻」です。夕顔が亡くなった翌年、光源氏18歳の3月(春)に、瘧病にかかって、その加持祈祷のために、北山に訪れ、そこである僧都の屋敷を垣間見し、そこでかわいい少女を見つけました。直後に僧都が光源氏を訪ねてきて、自分の僧坊に招きます。
【今回の源氏物語】
「…いかなる人のしわざにか、兵部卿の宮なむ、忍びて語らひつきたまへりけるを、本の北の方、やむごとなくなどして、安からぬこと多くて、明け暮れものを思ひてなむ、亡くなり侍りにし。
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☆ 古文オリジナル問題~兵部卿宮~☆
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「…いかなる人のしわざにか、兵部卿宮なむ、忍びて語らひつきたまへりけるを、本の北の方、やむごとなくなどして、安からぬこと多くて、明け暮れものを思ひてなむ、亡くなり侍りにし。
問 傍線部「兵部卿宮」について、最も適当なものを、次の中から1つ選べ。
1.按察使大納言の友人で、尼君の娘に言い寄った男。
2.僧都の妹である尼君の夫で、すでに亡くなっている。
3.尼君の娘の夫で、本妻を亡くした男。
4.僧都の妹である尼君に言い寄った男。
5.本妻がいるにもかかわらず、尼君の娘に言い寄った男。
来年度以降の大学入試共通テストでは
新学習指導要領に基づいたかたちで
複合的な問題形式が出されてきます。
【実社会に対応したもの】
⇒生徒A/生徒Bなどの対話的選択肢
【言語文化の知識問題】
⇒和歌や俳句などの韻文とのコラボ
【主体的・協働的な学び】
⇒複眼的問題文の読解
また、「指導計画の作成と内容の取り扱い」には
「生徒がコンピュータや情報通信ネットワークを積極的に活用する機会を設けるなどして、指導の効果を高めるよう工夫すること」
とあります。
古文の学習においても、
文法や語彙などの知識習得に
こういうイラスト訳を活用することで
イメージ習得して成果につなげましょう!
!(๑˃̵ᴗ˂̵)و
今回のポイントはこれ☆
☆常識的に人物をつかむ☆
兵部卿宮(ひょうぶきょうのみや)
という人物が出てきましたが、
源氏物語を読んでいくには、
このような人物についても
ある程度の常識的な理解をしておく必要があります。
この、後半部分に着目しましょう。
実は、この兵部卿宮――
親王(しんのう)なんですね!
ちなみに。
光源氏の愛してやまない、かの藤壺宮は
先帝の四の宮(四女)だったはず。
そして、
話題の兵部卿の宮は
あの、愛すべき若紫の父親なのです。
つまり――
若紫は、藤壺宮の姪(めい)☆
こういう人物関係図も、
会話文中から読み取っていくことが求められます。
いろんな古文に接して、
しっかりと流れをイメージできるようにしていきましょうね♪
【答え】…5